2010.02.05

ルイージ、ドレスデンを辞任

ニューヨークタイムスの記事によると、ルイージは、昨日(2月4日)ドレスデンのポストを辞任したとのことです。昨年の秋に書いたように彼はドレスデンとの契約を更新せず2012~2013のシーズンからはチューリッヒの監督へ移ることが決まっていたわけですが、ドレスデンでの任期を2年以上残しての辞任となりました。

電話でのインタビューにルイージが答えたところでは、今年のジルベスターコンサートを、楽団が音楽監督である彼に相談もなく、ティーレマン(2012年からルイージの後任となることが決まっている)の指揮で行うことを決定し、そのやり方に異議を唱えても話し合いを一方的に打ち切ったため、このようなやり方をするドレスデンとは仕事を続けていくことが出来ないと判断するに至った、とのことです。そして、このコンサートの企画については、ドイツのNHKとも言うべき(あってるかな?)ZDFがドレスデンに持ちかけたもので、決定に至るまで自分は蚊帳の外であった、と。

アメリカの新聞らしく、ティーレマンが第2のフルトヴェングラーとも呼ばれていることを紹介して、今回の出来事を国粋主義的な観点からの決定ではないのかと言うことを臭わせ、また、ルイージの就任決定時にハイティンクが辞任したことを上げて、アメリカとは違って、政治家、政治権力が運営などに影響力を持つドイツ楽壇の体質からくる根深い問題だ、と論じています。

ルイージの突然の辞任で彼が振るはずだった「指輪」やアメリカツアーは誰の手にゆだねられるのかは明らかではないそうです。


何となくのギクシャク感があったので、やっぱり任期全うできなかったぁという感じです。ドレスデン好きでルイージ・ファンたるワタクシとしては複雑です。。。まあ、オペラハウスの人事ってこういうものか、といえば、それまでですがね。

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2010.02.01

1月の歩行記録

1月の歩行記録です。

歩数 2760058903
消費カロリー 11668kcal376kcal
歩行距離 193.06km6.22km
(  )内は1日平均

5ヶ月連続の1万歩割れです。今月の特徴は歩く日と歩かない日の差が激しいこと。そして土日で稼いでいることです。もっと平日生活の中で歩くことを心がけないと。

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2010.01.26

カントロフ/プラーネスのシューマンのヴァイオリン・ソナタ

Rimg0142コロムビアのクレスト・シリーズは2002年のスタート以来、昨年12月の第9弾で全500点というから大したものです。9年もの歳月が流れると、この手の1000円廉価盤って、下手すると3回くらい「不朽の名盤100」とか「永遠のナントカシリーズ」とか名前を変えてシリーズを作って3割くらいは同じ盤を使い回して出し直すなんてことが起こりかねないのですが、クレストは、堂々500タイトルですからね、素晴らしい。
その内容も、大名曲の大名演から、ちょっと、いや、かなりマニアックな選曲・演奏のものまでこれらをカタログに載せ続けているっていうのは(もしかしたら品切れとかあるのかどうか知りませんが)、さすが大コロムビア。

今回の内容も、なんと若杉のワーグナーの交響曲が復活したり、マタチッチ/N響のワーグナー序曲集のセッション録音が出てきたりと、涙を流して喜ばれる方もいるのではないかと思います。
ワタクシが、早速買ってしまったのは、まず、「ブルー・インパルス」。この名曲を含む斎藤高順と矢部政男の作品を本家本元の航空中央音楽隊が演奏したもの。良いです。それから、有田昌弘の2枚。1枚は「偉大なる世紀のフルート音楽」という18世紀フランスの曲集、もう1枚は「パンの笛~フルート、その音楽と楽器の400年の旅」というエリック・エリクソンみたいなアルバムです。これらはまだ聴いておりません。

で(前振りが長いですが)、このシューマンのヴァイオリン・ソナタ。

カントロフのヴァイオリンは細身でざらっとした音で、いわゆる美音というのとは違います。プラーネスのピアノも(録音のせいもあるかもしれませんが)いわば分析的で、細部までよく見えるようなものです。このコンビでのシューマンの演奏は、想像の通り、「ドイツ・ロマン派です」ってものではありません。クールなわけではなく、感情の起伏は激しくもあるのですが、ただ、それが持続しない、というか一つの方向に進み続けないのです。短いスパンで表情が変化し、それは時に音楽が切れ切れになるような印象を与えます。こんなことはしないでヴァイオリンの音楽として美しくまとめているフェラス(それはそれで魅力がある)とはまったく違いますし、同じく激情的ではあっても、豊かにうねるようでそしてもっと持続する安永徹(こういう演奏を聴くとこの人はカラヤン時代を支えた一人だと言うことを強く感じます)とも違います。
このシューマン晩年の曲、特に第1番は、彼の精神的な変調と結びつけて論じられる向きがあります。確かに平穏とは言えない曲です。彼の精神状態と関係はあるでしょう。一昔か二昔前には、これを「創作力の衰え」とかあるいは「極限まで突き詰められた世界」とか評価するのが主流だったような気がします。今では「円熟期の傑作」なんて書いてあるのを見ると、時代も変わったものだと思います。

で、このカントロフの演奏は、そういう基本的には神経質で暗い気分が横溢しながらも、所々明るい光が差す、そして全体としては一言では説明できない複雑な心のありようというか気持ちというか(人間多かれ少なかれそういうものですが)を示すこの曲の趣をよく表していると思います。色々な感情がないまぜになってその色々が明滅しているような。

実はクレーメル・アルヘリッチが本命だろうなぁ、と思いつつも訊いていないワタクシ。

ところで、カニーノがこの曲のピアノを担当した録音ってないんでしょうかね。ブラームスとかでの彼の室内楽のピアノは絶品だと思っているんですが。プラーネスからの連想です。

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2010.01.22

スイトナーの追悼番組に時間変更がありました

先日、スイトナーの追悼番組(NHK)についてエントリを立てましたが、その後、放送時間が変更されているのを発見しました。NHKFMブログで告知されています(1月22日現在、BSクラシックナビゲーションは未修正)。とりあえず当該エントリは修正しましたが、当方では、今後きちんとフォローできるかどうか分かりませんので、放送時間は上記ブログや公式番組表などでご確認下さるようお願いします。

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2010.01.21

チンタイガー

Chintiger

渋谷駅にて。

寅年に飛躍を祈る!

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2010.01.18

杉浦非水の眼と手@宇都宮美術館

Rimg0008宇都宮美術館で今日まで開催されていた「杉浦非水の眼と手」という展覧会に行ってきました。栃木の方に行く用事があったので、何かないかなぁと思って探してみたところ、これに当たったというわけです。栃木県立美術館というのも同じ宇都宮市内にありましたが、こちらは展示替えで閉館中ということでした。宇都宮美術館は駅から遠くバスで25分かかるというロケーションだったのですが、その至近にたまたま中学からの友人が住んでいることに気が付き連絡を取って車で迎えに来てもらっちゃいました(会うのは25年ぶりくらいだったんですが(汗))。
森の中の美術館という感じで、展示スペースも十分、ゆったりとした感じで、屋外の庭の部分に彫刻展示などもあり、なかなか感じの良いところでした。

Chikatetsu1杉浦非水といえば、東京の営団地下鉄開業60周年のときのメトロカード(古い話ですな)に、創業時のポスター(左)が使われておりました。ワタクシはこれで、当時のモダンさに目を見開かされたのでした。
今日のN響アワーはたまたま「1928年パリ」というテーマでしたが、20年代って、パリに諸国の才能が集まって開花したのと同時にそれがパリから発信され、ベルリンとか東京とか国境を越えた最先端のネットワーク(というと言い過ぎか)が形成されていたんじゃないか、と思ったりします。
で、非水の名前はそれで記憶に残ったのですが、その後何を見るわけでもなくここまで来て、今回、それ以上の知識も何もなく宇都宮へ行ったのでした。

そんなアレですから、「非水といえばアールヌーヴォーと言われるが」なんて言われても、そうだったんだぁ、ワタクシの知っている非水はもっと「直線」なんだけど、というレベルだったんですが、それでもこの展覧会はとても楽しめました。

まずは日本画家として出発?したという経歴に驚き、三越のポスターやPR誌の表紙とかは確かにアールヌーヴォーだなぁ、と思い、ワタクシの馴染みのある地下鉄のポスターが創業時だけでなく萬世橋駅まで延伸したときのものも含め沢山あるんだと知り、ヤマサ醤油のポスター連作?も味があるなぁとか、これってメトロポリスかとかソ連のようだ(というか1930年代なのでまさに「インターナショナル」かと)とか、色々発見がありました。これはエッシャーだ!なんていうのもありました(ちなみに1926年の「図案集」所収なのでこっちが先)。

Hyakkaf1そして、「非水百花譜」という草花写生図には本当に驚かされました。まさに100枚の花の写生図の版画なのですが、これが壁一面に並んでいる様は壮観でした(天井に近いところまであったので一つ一つの鑑賞には難がありましたが)。で、精緻な写生なのですが、それを超えて非常になまめかしい、あるいはしょんぼりしている、というように花の心持ちといったものが表されているように錯覚してしまうほどのものでした。ランダムハウス講談社から本の形でまとめられた(左)ものがミュージアムショップに並んでいたので、図録と合わせてこれも買ってしまいました。
非水は絵手本を基に描くのを嫌い、実際にものを観察しそれを自分の絵とする「写生」の重要性を画学の徒の頃から意識し主張してきたとのことです。若冲にもそういうエピソードがあったような。

これらの時系列は、雑誌の表紙絵や挿絵そして三越の仕事を中心に活動していたのが明治末年から大正に入って少し、その後にこの「百花譜」がきて、関東大震災の時をまたぐ丸1年間洋行、昭和に入って数々のポスターということになります。そうそう洋行時に色々買い集めてきた彼の地のポスターなども展示されており、これも興味深かったです。ほんの小さなホテルの宣伝ラベル(?)のようなものの中にはカッサンドル風のものもあったりして。

ということで、ワタクシにとっては地下鉄ポスターの人だった杉浦非水の色々な側面、今世紀初頭の西洋での美術・デザインの潮流とその日本への影響&オリジナリティ、さらには雑誌の表紙に現れる当時の世相(「清朝遂に滅亡」なんてのもありました)などなど本当に面白い展覧会でした、残念ながら今日(17日)で終了してしまったのですが。

館のコレクションを順次?公開していく展示も進行しており、今出ているものの中ではやっぱりマグリットの「大家族」が目を引きました。

非常に充実した宇都宮行きでした。

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2010.01.15

ブレンデルのフェアウェル・コンサート

Rimg0003ブレンデルの引退前の最後の演奏会を2枚のCDに収めたものを聞きました。
「最後の」と言ってもちょっと注釈が必要で、ここには2回の演奏会が収録されています。本当に「最後」なのは、協奏曲のソリストとしてウィーンフィルの演奏会に出演したもの。指揮は近年コンビを組んでモーツァルトのCDも出していたサー・チャールズ・マッケラスで、曲はモーツァルトの変ホ長調K.291「ジュノム」。そして、その4日前のハノーファーでのリサイタル。ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルトときて、アンコールにベートーヴェン、シューベルト、バッハが演奏されています。

ブレンデルは、本を書いたり映像で楽曲解説を行ったりということが、知的な演奏家というイメージを作ったのでしょうが、実際、技巧を見せびらかすようなピアニストではなく(というより、ピアノのテクニック的には物足りないところもなくはなかった)、考え抜かれた演奏をする音楽家でした。

もちろん、この演奏とて、作りとしてそれを大きく覆すようなものではありません。でも、こちらが「フェアウェルだから」と思って聞くせいもあるのですが、とても情感豊かに音楽をしていると感じさせられます。演奏中ずっと、と言っても良いほど聞かれるブレンデルのうなり声も、それを増幅しているのかもしれません。

ブレンデルの演奏の非流麗さは今に始まったことではなく、それはそれぞれの楽句の意味をきちんと伝えたいという意志を反映したものであるように思います。そして、この演奏はそれが頭で考えたものと言うよりは生身の肉体から出てくるような感じを受けました。体から湧いてくるものを表すために、必死で音を紡ぎ出すという行為のような。それは特に一人で聴衆に対峙するソロのリサイタルの方に強く感じられました。でも、最後のバッハには澄み切ったものを感じます。

本当の本当の最後の公開演奏である協奏曲にはもっと和気藹々感があります。

最後にはやはり出発点に戻って、ウィーンで、そしてモーツァルトの若い作品でのフェアウェルというところが、この人らしいです。

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2010.01.14

スイトナーの追悼番組<放送時間変更あり>

<追記>「放送予定変更」
放送時間が変更されているのを発見しました。NHKFMブログで告知されています(1月22日現在、BSクラシックナビゲーションは未修正)(1月22日現在)。当方では、今後きちんとフォローできるかどうか分かりませんので、放送時間は上記ブログや公式番組表などでご確認下さい。


NHKオンラインに、スイトナーの追悼番組の予定が発表されていました(BSクラシックナビゲーションよりもNHKFMブログの方が内容が詳しいです)。

まず、FMで1月24日(日)「20世紀の名演奏」の枠(9時~11時10時57分)が追悼番組となりますが、内容詳細未定とのこと。
次に2月7日(日)N響アワー(21時~22時、教育テレビ)で、リハーサルやドキュメンタリー映像を交えながらの構成で、曲としては「魔弾の射手」序曲とブラームスの3番。リハーサルの映像など楽しみです。
ドキュメンタリーと言えば、14日(日)の深夜というか日付が変わって15日(月)午前1時から2時47分~4時半のクラシックロイヤルシート(BS2)で「父の音楽~指揮者スイトナーの人生」の再放送!ワタクシも一昨年3月の放送を見逃した口ですので興味深く、期待します。
そして2月26日(金)10時からのBSシンフォニーアワーN響演奏会(BS2)で、84年1月の定期からのモーツァルトの3大交響曲。色々あるけれど、結局はモーツァルトがスイトナー/N響の最良の遺産だなぁと思いますね、やはり。なお、一昨日言及したキングの「伝説のN響ライヴ」も同じ3大交響曲を1日でやった定期演奏会の記録ですが、今回放送されるものとは異なり、そっちのCDは82年12月の同曲異演。考えてみたら凄いです。N響定期でほぼ1年後に同じ指揮者で全く同じ演目なんてねぇ。何か事情でもあったのでしょうか。

そういえば、と、昔話になりますが、この84年1月の3大交響曲は、新年最初のN響定期Aチクルスでありまして、当時、友人が「やっぱり、なんかステイタスみたいな感じだねぇ」と感想を述べ、ふーんそんなものか、と思った記憶があります。そうそう、1週間後のブルックナーの7番の時には(1月19日)、東京で大雪が降って交通機関が混乱し、NHKホールがガラガラだったので、驚くほど音が響いた、とその同じ友人は報告してくれました。

以上、「海外オーケストラ来日公演記録抄」さんのスイトナー来日公演記録とgoo天気の東京の過去の天気を参照しながらの余話でした。

さて、追悼番組への思いは複雑です。今まであるいは長年見聞きすることの出来なかった演奏に接することが出来るのは有り難く嬉しいのですが、しかし、そうなったのはとりもなおさず敬愛する指揮者が亡くなったから、ということなのですから。
そんな思いをしないで済むように、もう少し過去のアーカイヴに接する機会があれば良いのにな、とも思いますが、それはそういうものだと(日常の生活でも思い当たる節もありますよね)、苦い気持ちは持ちつつも受けとめて、故人が作ってくれた機会だと肯定的に接していく、ということなのかなとも。

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