グリモーのクレド
お気に入りのCDにも入れているグリモーのクレドだが、新・東越谷通信で取り上げられている。もっとも、私にとって「グリモー」の新譜である、これが、「サロネン」のDG契約第一弾ととらえられているようだが。
さて、このCD、選曲は確かに大胆である。
コリリアーノ/ファンタジア・オン・オスティナート
ベートーヴェン/ピアノ・ソナタ第17番「テンペスト」
同 /合唱幻想曲
ペルト/クレド
で、いったいこれは誰のクレド(信条告白)なんだという、謎の編集者氏のご疑念であるが、これは、グリモーのそれである。ジャケット写真がグリモーのアップというのは、セールス面への配慮かもしれないが、ブックレットはグリモーの「はじめに」という文章(1ページ強)があって、マイケル・チャーチによるグリモーへのインタビュー(5ページ)が載っている。そして曲目解説(2ページ)、グリモーのバイオ(1ページ)という構成。
で、この内容であるが、「はじめに」は「なぜ、音楽は存在するのだろうか?」なんて文から始まって、選曲の意図というか、まあ、ちょっと哲学的な小文となっている。インタビューの中でも、このCDのアイデアは全く自分のもの、このような風変わりな選曲の企画に同意してくれたDGに感謝している、などと言っているので、このアルバム自体が、彼女の音楽に対する「クレド」となっているのではないか、と。
それにしても、このインタビュー、彼女のsynesthesia(音を聞くと色を感じるという感覚のことらしい)のこととか、オオカミ(彼女がオオカミと暮らしているというのは一部有名な話)への情熱のこととか、結構おもしろいので、必読かと。
コリリアーノの曲の下敷きにしているオスティナートは、とある有名な曲なのだが、ネタバレになるので(知ってからも楽しめないと言うことはないが)ここでは書かない。
CLASSICAによれば、このアルバム、DGのe-playerという企画にも近々載るそうだ。
ついでに宣伝すると、DENON時代のアルバム5枚(ラフマニノフとかブラームスとかシューマンとか)が激安レーベルのブリリアントからBOXになって売り出されており、ファンにはこちらもお勧め。
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