« 人間ドック@パリのアメホス | Main | アイスランドの氷(こうさぎ) »

2004.10.31

ヨットの白石康次郎です

白石康次郎さんからメールが来た。タイトルはそのメールの一節。ラ・ロシェルに来るとのこと。この単独無寄港世界一周の最年少世界記録を持つヨットマンは、その体験のものすごさもさることながら、もうとにかく素晴らしい人柄の人である。ワタクシは尊敬している。

 白石さんとは、とあるシンポジウムでご一緒したのだが、話がめっぽう面白い。もっとも、体験自体がものすごいものだから当たり前なのだが。
 それでも、後に師匠となる多田雄幸さんの著書に魅せられて、弟子入りを目指して東京駅までとりあえず行ってしまってから電話帳で個人タクシーをしている多田さんの連絡先を探し当て突撃してしまう話、とか、大きな航海に出るときに沖に出てから船の不調に気が付き、戻ろうかどうしようか迷うときの心の動きとか、などが彼の飾らない語り口にかかると、いつまでも聞いていたくなる。

 最近はテレビ番組などにもたくさん出ているようだが、その目的意識もワタクシには明確であるように感じられる。まず、なんといっても、ヨットはお金のかかるものなのである。名だたる冒険家たちもスポンサー集めには大変苦労したのではないかと思うが、彼も次のレースに出るためには、億単位のお金を集めないといけない。その獲得手段の一環ということはもちろんあるだろう。冒険する人の行動は、ある面では破天荒なことは疑いないが、周到な計算が準備段階だけではなく、航海の最中にもあるのだと思う。そうでないと、命がいくつあっても足りない。彼は、「ちょっと間違えると死んじゃうんですよね」とさらっと言うのだが。

 あわてて言わないといけないが、もちろんマスコミへの露出はお金を稼ぐのが主目的ではなく、それよりも、次の世代の人たちに自分の体験したこと、そこから考えていることを伝えたい、という強い思いからであろう。抹香臭さはみじんもない。いつも爽やかで明るい気持ちのいい男である。だが、彼は、自分には教育者としての義務があると信じているに違いないとワタクシは思っている。そして、それが押しつけがましくなく、自分の利用価値(変な言葉だが)を客観的によく知っているだけに、どこか突き抜けているような感じがするのである。それも、死と隣り合わせにいる(のは本来みんなそうなのだが)ことを意識する体験を重ねてきた故であろうか。

 今回のラ・ロシェル行きは世界的なレースの下見?のようなものと言うが、ぜひ近い将来、このレースに出場して、良い成績を収めて、そして何よりも無事に帰ってきて欲しいと思う(まだ出発もしていないが)。彼は、出航した直後からいつも思っていることは「早く帰りたい」ということだそうである。「当たり前じゃないですか」と笑うのだが。

|

« 人間ドック@パリのアメホス | Main | アイスランドの氷(こうさぎ) »

スポーツ」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/10092/1821665

Listed below are links to weblogs that reference ヨットの白石康次郎です:

« 人間ドック@パリのアメホス | Main | アイスランドの氷(こうさぎ) »