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2005.03.28

これが私の作品です

 先週、シャトレ劇場で、コセ、デュシャーブル、ノールマン、ヴィア・ノヴァSQ、アモイヤル、ケフェレック、シモーネ、パイヤール、ミンコフスキが一堂に会する催しがありました。このメンバー、ワタクシのような世代の者にとっては懐かしさ一杯(ミンコフスキを除く)なんですが、彼らが顔を揃えたのは、没後10周年を迎えたある人の思い出に演奏を捧げるためでした。

 顔ぶれを見てピンと来た方もいらっしゃるかと思いますが、その故人とは、ミシェル・ガルサン。1953年の創設以来エラート・レーベルを40年の長きにわたり率いてきた名プロデューサーで、レッグやカルショウに比べれば知名度は低いものの、企画、選曲、演奏者等々あらゆる麺にわたり愛好家を唸らせるすばらしいセンスのレコードを次々に世に送り出した張本人です。

 当夜の演奏者と曲目は次のとおりでした。

フンメル/幻想曲(va.コセ/pf.デュシャーブル)
タレガ/アルハンブラの思い出他(hp.ノールマン)
シューマン/弦楽四重奏曲第3番第2楽章(ヴィア・ノヴァSQ)
ランドウスキ/チェロ4重奏のための音楽
クープラン/クラヴサン曲
フランク/ヴァイオリン・ソナタ第4楽章(vn.アモイヤル/pf.ケフェレック)
ラヴェル/洋上の小舟(pf.ケフェレック)
ロッシーニ/「アルジェのイタリア女」序曲(シモーネ指揮アンサンブル・オルケストゥル・ドゥ・パリ(以下管弦楽同じ)
ドビュッシー/6つの古代エピグラフ(パイヤール指揮)
ラモー/「ボレイヤード」第4幕への序奏(ミンコフスキ指揮)
ベルリオーズ/歌曲(t.フシェクール/ミンコフスキ指揮)
ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第3番第3楽章(pf.デュシャーブル/ミンコフスキ指揮)

 なかなか豪華な会ですよねぇ。ちなみに、無粋な話ですが、入場無料だったんです。ということは彼らもノーギャラだったんだろうし、色々な人がそれこそ商売抜きで協力した結果だと思います。

 演奏が始まる前には、マリー=クレール・アランが登場して(自分の楽器は移動可能ではないので、と断った上で)まずガルサンの思い出を語りました。この2人、パリのコンセルヴァトワールに同時期に在学し、対位法の授業などではクラスメートだったのだそうです。1940年代の話です。
 その他にも、都合がつかずにメッセージを寄せた中には、ジョルダン(ケフェレック代読)、コルボ(ノールマン代読)、ガーディナーがおり、本当に多くのアーティストからの尊敬と信頼を勝ち得ていた人だったということがよく分かりました。今は飛ぶ鳥を落とす勢いのミンコフスキも、デビュー・レコードを作れたのは彼のおかげだったという趣旨のことを語っていました。彼のおかげで先人たちが道を開いてくれて、自分たちにとっては本当にそれが助けになった、とも。
 余談ですが、ミンコフスキは、ショルティ/ロンドン響の演奏会で見かけたこともありますし、同夜に自分の公演を控えながら同じ町での「ダフネ」のマチネ公演を時間の許す限り聞いて客席から転がり出て行った姿も目撃しております。結構オタクではないかと思うのですが、ワタクシは自分と同世代(向こうが2歳下)の彼が、プロになる前にはガルサンがプロデュースしたレコードを喜んで聞いていた姿を容易に想像することができます。

 話を戻して。白状しますが、ワタクシ、今回の催しに参加するまで、ミシェル・ガルサンの名前は記憶の片隅にあったものの、音楽評論家だったかなぁ、いやホルン奏者だったかなぁ、というくらいで、こんなに重要な人物だったとは知りませんでした。不明を恥じるとはこのことです。

 彼が精魂を傾けたエラートもワーナーの傘下に入り、今後の新録音にエラートというレーベル名が使われるのかどうか、などというブログ記事を読んだ記憶もあります(どこでだったか思い出せなくて申し訳ありません)。それはともかくとしても、魅力的な新録音がなかなか登場せず、過去の名演奏の復刻(これはこれで嬉しいということも認めざるを得ませんが)ばかりが脚光を浴びるそんな今、ガルサンを偲ぶ会、というのは色々考えさせられてしまいました。

 最後にもう一つ白状すると、この会にはケフェレック様のお姿を久々に拝見できるというインセンティブが働いていました。舞台上だけではなく、休憩時にはロビーで至近距離に居ることもできて(もちろんおそれおおくて声などはかけられませんでしたが)、望外の喜びでした。

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