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2005.06.09

バーンスタインの「教育」

bernsteindeccaバーンスタインが50年代前半、まだコロムビアと契約する以前に、米デッカと録音したものを聞いている。「初期録音集」と銘打って、この内容は何度かCD化されている。が、この録音、解説付きのものだったとは知らなかった。

収録されているのは、「英雄」、シューマンの2番、ブラームスの4番、「悲愴」、「新世界より」。いずれも「本篇」の後にバーンスタインがピアノを弾きながらの解説(オケの演奏も交えながら)がかなりの長時間録音されている。

彼の啓蒙・教育活動と言えば、ヤング・ピープルズ・コンサートが第一に上がるのだろうが、この大人向け?の解説盤、なかなかためになる。実はまだ、ベートーヴェン、シューマン、ブラームスしか聞いていないが、いずれもきちんとした主張と説得力あふれる語り口(もちろんピアノやオケの録音で「聞かせる」ことで効果百倍増なのだが)は大変楽しめる。ベートーヴェンはそうでもなかったが、シューマンとブラームスは、彼らに対するステレオタイプな中傷を受けて立ち論破する、という、格好良い役回りとなっている。

大人のアメリカ人も当時啓蒙されたかなぁ。

ところで、シューマンの2番と言えば、最晩年のPMFのオケとのリハーサル&本番の模様@テレビでは、彼はしきりに「愛、愛」と連発していたような印象を持っている(テレビ番組の作りのせいかもしれない)が、このCDではそういうアプローチではなく、冷静に構造やらを分析して、「シューマンは管弦楽法が下手」という「通説」に反論している。いずれにしても、この曲、好きだったんでしょうね。

で、まだ解説は聞いていない「悲愴」なのだが、演奏だけは聴いた。「悲愴」はきっとソニーにも録音があるのだろうが、やっぱり彼のものは晩年のDGへの録音だろう。あれは、すごい。「良いですか?」と聞かれると口ごもってしまうが、でも、すごい。で、この、まだまだ若い(30代?)彼の録音にもデフォルメ志向が見られるように思うのだ。シューマンはこの点だいぶ違う。作品へのとらえ方がやはり異なるのかも、と思ったりする。

最後に。バーンスタインの解説を聞いてから本篇を聞き直すと思うのが、音楽を聞くときには、聞こうとしているものしか聞けないのではないかということ。もちろん同じ演奏なのだが、「ここはこういうことがありましてね」と言われると、それまで聞こえなかったものが初めて聞こえてくる(専門的なトレーニングを受けた人は違うのだろうけれども)。もちろんそう聞こえてくることは楽しみのとても大きな一つである。

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