道を尋ねられる
パリでもよく道を尋ねられる。実は、人に道を教えるというのは生きる充実感があってワタクシは大好きなのだ。きっと放射される「道を教えたい」光線を感じ取って、尋ねてくるのであろう。ワタクシに道を尋ねる人は大別して3つのパターンがあるようだ。
1.観光客
このタイプは案外少ない。パリの観光地で過ごしている時間が短いせいかもしれないが。最近は、グランパレの脇で「オルセー美術館はどこですか?」と訊かれたくらいである。道順は簡単だが、暑い日だったので西洋人の老夫婦には3キロ歩くのは大変だったかもしれない。訊かれるのが観光名所だし、英語の場合もあるので識別は容易。ところで、ワタクシは日本人からは道を聞かれたことはない。みなちゃんと地図を持っているのかな。
2.パリ在住者
使用言語はフランス語(当たり前)で、人種は雑多。ただし、東アジア人から訊かれることはあまりない。このタイプの特徴は、紙に汚い字で殴り書きのメモを持っていることが多いこと。大方アポの相手に「凱旋門の近くですぐに分かるから」などと言われて、いざ来てみると分からない。そこで、そこを歩いている人の良さそうな東洋人(ワタクシ)に訊いてみよう、ということになるのである。今朝もこの手の人にrue Byron ってどこですか?と訊かれてしまった。聞いた名前の通りではあるがすぐには分からない、というのがこの手合いの質問で、やおら携行のポケット地図をカバンから出し、教えてあげる。
3.地方からの上京者
パリ在住者と区別が付かない場合も実は多いが、まずはパリ在住者ならおそらく訊かないような場所を質問されるので、それと分かる。あるいは観光客なのかもしれないが、風体がちょっと違うので何となく識別できる。実例としては、Ecole Militaire ってどこですか?ここから歩いていけますか?という質問と、Georges V通りというのはどこですか、といずれもその至近位置で訊かれたことが挙げられる。これは、こちらも即答できて楽勝である。
よく、日本人に道を聞くなんてこちらの連中は何を考えているのか、と言う人がいるが、そうとも言えないのでは、と思う。道を割とよく知っている(下手すると地図を持っていたりする)し、何よりも安全そうではないか。それに、分からなかったらちゃんと「分からない、知らない」と言うのは、大変ありがたいことに違いないと思う。
« 「春」のこだわり | Main | SHAREHOLDERS UNITED »
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 大瀧詠一の死に思う(2014.01.04)
- 日常と非日常、今後のために(2)(2011.03.20)
- 日常と非日常(1)(2011.03.17)
- 計画停電(2011.03.16)
- 地震の日(2011.03.15)
Comments
The comments to this entry are closed.
yacoさま
コメントありがとうございます。いやぁ、豪雨は凄かったですね。路上にどこからか流れてきたゴミが散乱していました。
そうですね、「誰彼かまわずに道を訊く」というのが一番真実かもしれません。赤信号で止まったら、車のウィンドウが下がって道を訊かれるなんてこともありますものね。
Posted by: ガーター亭亭主 | 2005.06.24 10:08 AM
はじめまして。「うるわしのブルターニュ」さんの所から巡り巡ってこちらへ辿り着きました。
わたしもパリ市内でよく道を聞かれたりして、似たような体験多いです。でも、聞いてる当のフランス人は、相手を選んで無いように思えるんですけれど。パリ一人旅をよくする日本人の友達(女性)も、毎回パリで道を聞かれるって言ってました。「私に道聞いてもねぇ」って。
わたしは日本人に道を聞かれることもたまにあるんですが、そういう場合は大抵「アメリのカフェってどこですか?」ですね。(モンマルトル在住なんです。)
運転中の人が車を止めて道を聞いてくることもありました。(大通りで立ち往生してた、配達の業者さんみたいでした。)市内は一通が多いから、携行してた地図を開いて地図上の矢印を見せながら「ここからこう行かなきゃダメよ」って教えてあげたら非常に感謝されました。(っていうか、カーナビつけなさいね、と言いたかった。笑)
やっぱり、誰彼かまわずに質問してるように思えます。
Posted by: yaco | 2005.06.23 04:56 PM