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2005.07.27

EL MILAGRO DE CANDEAL

カンジャル(発音自信なし)カンジアウの奇跡」という映画を見てきました。ワタクシの中では、"MUSICA CUBANA"に続くキューバ音楽フィルムなのですが、多くの人にとってそういうつながり方をするのかどうかは分かりませぬ。

日本でもこのフィルムのサントラ盤は輸入盤で入手できるようです。リンク先に話の筋も一言で紹介されていますが、85歳のキューバの巨匠ピアニストであるBEBO VALDESが、アフリカからの記憶を色濃く残すSalvadorという町を訪れるという話(音楽ドキュメンタリー?)です。BEBOは、地元の若い音楽家たちとセッションしたり、村の祭を見学して自分のルーツに思いをはせたり、トランス状態になる老婆(巫女みたいな感じ)の前で神秘的な体験をしたりします。ブラジル音楽の大物たちとも会って、キューバ、ハイチ、ブラジルが、アフリカ(特にアンゴラ)にルーツを共有しているということで意気投合するシーンも何カ所かあります(ジルベルト・ジルなんかも出てくる)。そこでちょっと彼らが歌うふしが心にしみます。

また、彼の体験とは離れたところで、広場(これがどうもCANDEALと呼ばれる特別な「場」のようですCANDEALは、サルヴァドールの町の貧しい地区を指す名称とのことです)の整備を核としてコミュニティが形成されていくストーリーが一つの軸となっています。コミュニティの形成は、若い指導者のグループのようなモノが大きな役割を果たします。子供たちに人との関わりを一から教えたり(「コーチング」みたい)、地域とのつながりということを考えさせたり(通りの名前の由来を古くからの住人に取材させて地域の歴史を考えさせる)して生きることを教育します。その中で、地域の音楽学校が大きな役割を果たしたり、ミュージシャンが子供たちにリズム・セッションをさせたりして(ケチャを思い浮かべてください)、音楽が一つの核となっています。子供たちが将来何をしたいかを語るシーンがありますが、勉強して働きたい、そして医者になりたい、薬屋になりたい、学校の先生になりたい、親や仲間を助けたい、と言いながらも、それで髪につけるものを買いたいの、という女の子はとっても可愛かったりします。
コミュニティの形成は、子供に対する話だけではなくて、CANDEALにコミュニティセンター(というと安っぽく聞こえますが)を作ろうと呼びかけにこたえて、村人はそれぞれ自らセメント?をこねたり煉瓦を積んだりして建築に携わります。その地区はかなり貧しい地域だった、という背景も紹介されましたが、字幕読解能力の限界により詳細不明でした。

ということで、ラ米のアフリカへの故郷意識とか貧困撲滅とか持続的発展とか地域コミュニティ再生とか総合的な学習の時間(日本ではどうなっているのでしょうか)とか、そういう色々な事柄が、「音楽」によって煮込まれた鍋の料理、みたいな感じでした。なかなか魅力的でした。

ワタクシとしては、最初に書いたようにキューバ音楽フィルムとして期待していったわけで、純粋音楽シーン?が予想より少なかったのですが、でも、なかなかよかったです。

実は、macomocoさんに薦められ、行こうと決心していた「キューバ音楽の王者ロス・バンバン」の今晩のパリライヴ、仕事の都合でどうしても行けなくなってしまったのですが、その空白は、この映画によって少しは埋まりました。でも、行きたかったなぁ、ライヴ。ま、仕事だから仕方ないですが。


<アップ後あわてて追記>
サルヴァドールに住まわれた経験のある方のサイトを発見しました。それによると発音は「カンジアウ」のようです。また、カンジアウの風景の写真も載っています。日記でカンジアウに触れられている部分も。そこからの情報によって本文を若干修正しました。

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Comments

いえいえ、色々と教えて下さってありがとうございました。

BEBOは、こちらのCD屋でもちゃんと個人インデックス(というのか)がえさ箱についていました。有名なんですね。映画中で彼の奏でたピアノも、とても味わいの深いものだったので、今度アルバムを聴いてみようと思います。
それと、Calle 54は現在パリでは上映されていないようですが、DVDが出ているので、是非見てみます。

パリを発ったバンバン、明日はグラナダですね。

Posted by: ガーター亭亭主 | 2005.07.29 at 12:40 AM

さっきのコメント、よく読んでみたらご亭主さまがお書きになったことにほとんど触れていないかも。。ごめんなさい。
EL MILAGRO DE CANDEAL については、あまり知りませんでした。 ただ、ベボが自分のルーツとなる音楽を探るというような筋のみ。
ベボは60年代からスウェーデンに住み、ホテルのバーでピアノを弾いて暮らしていたと聞いています。
近年その価値を再認識され、今までできなかったようなことができるようになったのかなと、想像しています。 望む音楽を奏でたり、このような映画を撮ってもらったり。。
そう思うと、なんだか胸が熱くなります。
40年、、、途方もなく長いですよね。

フェルナンド・トゥルエバ監督のベボも出演する Calle 54 は、音楽にあふれ、お勧めです。 数十年ぶりに再会したベボと息子チューチョ・ヴァルデスやカチャオとの共演も、胸が熱くなります。

ご紹介になられた Miw さんのサイトも見てきました。
日記にはいろいろ感じるところもあり、面白かったです。
どうもありがとうございます。

Posted by: macomoco | 2005.07.28 at 08:21 AM

TB ありがとうございます。
Bebo の映画の存在は知っていたのですが、日本では公開されていません。
Bebo はヨーロッパ住まいですし、ヨーロッパでの方がキューバ音楽は人気ありますからね。 ライブもキューバ音楽に関する映画の上映も、断然多いと思います。うらやましい。。

キューバ・ブラジル・ハイチへは、アフリカの現在のナイジェリア辺りのヨルバ族が多く連れて行かれているので、ヨルバ族の宗教も現地でキリスト教と結びつきながら脈々と受け継がれています。
http://blogs.dion.ne.jp/macomoco/archives/923367.html

また、友人が Caribbean Music Review と題して、 曲はアフリカンルーツのカリビアン・ストリート系の DJ イベントをしています。
キューバ系のハードなサルサ、ティンバを中心にレゲトン、ダンスホールレゲエ、メレンハウス・ヒップホップ、ブラジルエレクトリック系、バイーア/ポルトセグーロもの、マルチニークまで。 すべてアフリカンつながりです!
DJ は、キューバとブラジルのバイーアの音楽的共通点に着眼しています。
http://barhavana.exblog.jp/189053/

Los Van Van の紹介としては、こちらの方が面白いかも?
http://musicacubana.blog4.fc2.com/blog-entry-71.html
バンバンは、いつの時代のどの曲を聴いても「あ、バンバンだ」とわかってしまう、何かすごいものがありますが、実はライブを観るまでは私にとっては特別なクループではなかったのです。
キューバ音楽の真骨頂はライブにあると思いますが、バンバンこそ最強のライブバンドだと思っています。
日本では15年ぶり3回目のライブですが、ヨーロッパには1-2年おきには行っているはずなので、機会があれば、是非いらしてくださいね。

Posted by: macomoco | 2005.07.28 at 06:50 AM

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