« 音楽家の道(5) いわゆる「ベルカント」の人たち(3)~ベッリーニ | Main | 音楽家の道(6)~J.S.バッハ »

2005.08.10

クリップスのブラ2

クリップスのブラ2のコンサートホール録音、60年代初期のものですが、AGES RECORDSというレーベルからCD化(カップリングは「未完成」)されました。これ、かなり良いです。

ワタクシは非常に貧弱な環境でCDを聴いているものですから、録音というか音について感想を言っても、どこまで他の環境の方に通じるのか分かりませんが、このCDは、60年頃と言ってもデッカの録音のようなわけにいかないのは事実です。オケの音自体もそれ自体すごく魅力があるというわけではありません(たぶん)。
でも、よく聞こえるんですよねぇ、色々なパートの絡み合いとかが。演奏自体のバランス(と指揮者の見通し)が非常に良いんだと思います。ブラームスの交響曲というとダンゴになりがちですよね。それがない。明晰なんです。といって、冷たい演奏というわけでは全然ありません。
自然体、ということの意味は、何もせずに結果としてのっぺらぼうや薄っぺらい演奏になることではなくて、たとえば「しみじみ歌う部分」「リズミックに弾んで楽しい部分」「ユーモラスにおどける部分」「血湧き肉躍る部分」などというそれぞれの曲の部分が、いかにもそうなっている、ということだと思うのです。この演奏を聴くと、そういう思いがします。そして、この演奏には、いつも余裕がある、というか優しい心と微笑みがあるように思うのです。それは、終楽章のコーダでテンポを挙げて結構迫力を持って盛り上がっていくところでもそうなのです。でも、迫力不足とか燃焼し切れていない、なんてことは感じません。

「不健康の極み」や「命をかけた遊び」も良いけれど、このクリップスの演奏もかけがえのない大切なものです。

|

« 音楽家の道(5) いわゆる「ベルカント」の人たち(3)~ベッリーニ | Main | 音楽家の道(6)~J.S.バッハ »

音楽」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/10092/5388713

Listed below are links to weblogs that reference クリップスのブラ2:

« 音楽家の道(5) いわゆる「ベルカント」の人たち(3)~ベッリーニ | Main | 音楽家の道(6)~J.S.バッハ »