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2005.12.13

見ました"JOYEUX NOEL"

北京出張前に発見した"JOYEUX NOEL"、幸いまだ続映中で、この週末に見てきました。

日本での配給は日本ヘラルド、とスクリーンにも出ていましたし、2006年2月?には銀座シネスイッチというところで公開されるらしいので、ネタバレのような記述はなるべく避けたいと思いますが、以下、断片的な感想を書く中で多少は触れてしまうので、気になる方はとばしてくだされ。

この映画では、音楽がドイツ、フランス、スコットランドという敵味方を超えて結ぶもの、としての位置づけを与えられています。しかしそれも文化的に共通な基盤を持つ中で有効なものであり(そもそもクリスマスというもの自体そう)、例えば異教徒との戦いではこのままはいかないでしょう。ですが、それは同時に、異文化間でも対話をして共通の基盤を見つけることが重要だというメッセージにつながる、と思いました。そのことは、登場する2人の聖職者のうち一方がラテン語で(3つの兵士グループすべてを対象に)ミサを執り行い、もう一方が英語で(スコットランド兵士だけを相手に)説教を行い、後者の内容が、ブッシュ大統領の演説の批判的パロディと思えるようなものであったことによく表されています。また、ドイツ部隊指揮官の「ユダヤ教徒である自分にとってクリスマスは意味のあるものではないが、それでも今夜はすばらしかった」というようなせりふも、このことを想起させます。

それにしても、音楽というものの力を感じずには居られません。比喩でなくワタクシは涙が溢れてしまいました。重要な役割を2人の歌手、歌、音楽が担っているのですが、これには有無を言わせない力が生じます。実話にインスパイアされたと断られたこの映画、ある真実を事実と虚構によって描いているわけで、その意味で本当によくできています。どこまでが事実なんだろうという詮索は無意味です。もちろん、別の次元の好奇心の結果として、それも気になるところではありますが。

また、英軍兵士がスコットランドの部隊であってイングランドのそれではないことも、歴史的事実かどうか分かりませんが、カトリックという共通基盤を設定するには一つの要素と感じました。やはり、イングランドというわけにはいかないでしょう。ドイツの場合には、プロテスタントと両方あり得るわけですが。

なお、nofrillsさんが紹介されていたフットボールの逸話はこの映画ではいくつかあるエピソードの一つに過ぎない扱いですが、もともとスポーツというものが戦いの代償行為として生まれ発達したという説を思わず思い出してしまいました。フットボールは戦いの後?でしゃれこうべを蹴っていたという説も。

ところで、この映画では英語、ドイツ語、フランス語の3カ国語が飛び交い(フランスでは前の2つにフランス語字幕あり)、その言葉の違いによる壁を乗り越えてのコミュニケーションの芽ばえ、成立、というところが妙味でもあるのですが、ここを日本公開時に字幕でどう扱うかは興味のあるところです。

いずれにしても、クリスマスシーズンは過ぎても、この映画、日本でも多くの人に見て欲しいと思います。この映画の発するメッセージは普遍性があるものであると信じるだけに。

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Comments

コメントありがとうございます。

日本でも(若干クリスマスの季節からは外れるようですが)公開されるというのは、嬉しいことです。最初の方に「NIPPON HERALD」(綴り違うかも)という字が目に入って、アレ?って思ったんですよ。

Posted by: 亭主 | 2005.12.17 06:03 PM

日本でも公開されるんですね。(トラバでお知らせくださりありがとうございました。)

日本ヘラルドのサイトを見てみたら、「メリー・クリスマス(仮題)」で掲載されていました。
http://www.herald.co.jp/release/lineup/index.shtml

Posted by: nofrills | 2005.12.15 01:59 AM

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