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2005.12.05

第2回弦楽四重奏ビエンナーレ(5)

シネ・ノミネに続いて聞いたのは、ジュリアード四重奏団でした。曲目は、シューベルトの断章、モーツァルトとカーターのオーボエ四重奏曲(独奏はホリガー)、ベートーヴェンの16番というもの。

この会、正直言ってワタクシにはあまり楽しめるものではありませんでした。シューベルトが始まったところから、何だかやたらとヴィブラートのかかった大時代的な音な上に、合奏の精度や響きの充実度も今一で、ジュリアードってもっとモダンでピシッとした音楽をやる団体だと思っていたので意外でした。

失礼ながら、「やっぱり過去の団体かなぁ」とか思ってしまいました。もっとも、シネ・ノミネと同じようにホールの中での聞いた位置が良くなかったのかもしれません。翌日のバッハの時はそれほど感じませんでしたので(ただ、翌日はそれはそれで考えさせられることがいくつかありましたけれども)。

圧巻だったのは、ホリガーのオーボエ。30年くらい前からもう第一人者としての名前をほしいままにしてきていたわけですから、正直言って今はどうなっているのか不安があったんですが(思えばジュリアードにこの不安感を抱かなかったのが不思議と言えば不思議)、なんのなんの。元気な姿を見せてくれました。モーツァルトは「きれい」な演奏を期待すると裏切られるでしょうが、そういうところで勝負するのではなくて、曲の作りとかがどうなっているのかはっきり分かるようなドライな演奏でした。これは、なかなかできないと思うんですね。ただ、ジュリアード(少なくとも現在の)とは方向性がかなり違うのではないかなぁ、と思わされる部分が多々ありましたけれども。
カーターの曲はワタクシとしては退屈(というかよく分からない)でしたが、でも、ホリガーすげぇ、と思っている間に終わりました。

最後のベートーヴェンは、こちらが音に慣れたせいか、最初のシューベルトよりは大分良かったです。アプローチもそれほど「ロマンティック」ではなかったからかもしれません。それと、まあ曲は違うながらも、直前にとりとめのない13番を聞いた後では、まとまっているなぁとは感じました。ただ、演奏の精度が高さに感心するわけでもなく、自然な味わいに深く心を動かされるわけでもなく、まあ、どうってことのない演奏と感じてしまいました。

聴衆からは大拍手で、やっぱり大家の芸というのは、聞き上手にはそれなりの聞き所があるのだろう、ということにしておきました。

アンコールには翌日の予告篇ということで、フーガの技法の第4番。

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Comments

そうなんですね。>ロバート・マンの半世紀

しかし、1.ジュリアードって「モダン」で売っていたのではないか、2.マンが引退したら世代交代したのではないか、と思っていたんですが、2.はみんなお年を召した走者だし、そういうことはなかったんですね。でも、1.については、未だに謎です。

Posted by: 亭主 | 2005.12.06 at 10:12 AM

「方向性がかなり違うのではないか」-なるほど、そう思われましたか。恐らくこのプログラムのカーターの曲辺りがこのアンサンブルの方向かと思います。その意味では、シューベルトを組み合わせとだけ聞いただけで充分満足です。

「ヴィブラートのかかった大時代的な音」が全体の印象を語っているのかなと感じました。ロバートマンの半世紀は、それは長い時間ですよ。

Posted by: pfaelzerwein | 2005.12.05 at 06:52 PM

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