牛(9)
シャンゼリゼ通りからアレクサンドル3世橋へ向かって南へ曲がったところ、プチ・パレの前には4頭の牛がいます。
プチ・パレは昨年暮に改装が済んで再開しました。中はパリ市美術館です。その豪華な金ぴかの入り口の門前に、このように牛が。
風車付きの牛、反対側から寄ってみると、

この赤い風車、黒いシルクハットときて、パリで連想するのは、これでしょう。この牛の名前も「世界で一番偉大なキャバレーへのオマージュ」(125番)です。
その隣は、

121番「ガイア」です。ガイアは、ギリシャの地母神ですが、この名を取って地球全体(そこに暮らす生物もすべてひっくるめて)を一つの生命体と考える概念を提唱する学者もいます。
確かに、太古の混沌としたエネルギーの中からの生命の萌芽のようなイメージの作品ですね。

向かいのグランパレ入り口(残念ながら改装中)に向かって進んでいくイメージです。

次の作品は、"Vach'Allais de Honfleur"(No.168)。

片面にはオンフルールの美しい風景がパレットの上に書かれ、反対の面には、

オンフルール出身の著名人、作家のアルフォンス・アレと作曲家のエリック・サティを主人公にした漫画が書かれています。彼らはパリの「黒猫」に入り浸っていた時代が重なっているはずですから、それを題材にしたと言うことでしょう。アーティストはオンフルール・グラフィック・アーツ学校で、スポンサーはオンフルール市です。
ただ、この作品、「牛、オンフルールのアレ」と言えばいいのでしょうか。アレは牛というあだ名でもあったのか、そこのところが要調査です。あるいは何かの洒落になっているのか。
最後は、これ。

頭部にはパリ市の紋章とモットー「たゆたえども沈ます」がデザインされています。
胴体にはパリ市の区画が書かれているのですが、背中のラインがセーヌ川になっており、こちらは右岸。

アップで見るとこんな感じです。

左岸はこちら。

写真では分かりにくいかもしれませんが、区域外の茶色い部分に書かれているのは、肉の部位です(肩肉、すね肉とか)。
そして、背中には島と船も。

この作品は190番"Miss en Seine"「セーヌ川のお嬢さん」と訳せばよいのでしょうが、これは、演出という意味の"Mise en scene"との言葉遊びになっています。本当、こういうの、フランス人は好きです。
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