« ヒースローにて | Main | フィリップ・ゴーベール(アルファの新譜) »

2006.08.24

風船

月曜日夜9時半頃のことです。オペラ通りの入り口の交差点を車で通りかかると、検問のようなことをやっています。このパリの町での検問というヤツ、通りかかるすべての車を対象にするわけではないことが殆どで、ワタクシは悪者に見えないせいか、殆ど「行け、行け」の側になって止められずにすんでおりました。テロ対策など警備上のことが多いのではないかと思いますが、今ひとつどういう基準で止めているのか分からないのですけれどもね。

この日のものは、見ていると地方ナンバーやタクシーはスルーして、パリの住人を対象にしているようでした。

で、現れた警官はワタクシにビニール袋に入った何かを渡すのです。これって、、、

そう、風船によるアルコールの検知です。

実は、ワタクシ日本での長い運転歴の中で酒酔いの取り締まりに当たったことはあっても、この風船というものをやったことがありませんでした。図らずもパリの街で風船初体験となったわけですが、風船をふくらまさせられた後、風船附属の小さいアンプルのようなもので吹込み口を逆流するワタクシの呼気からのアルコール不検出を確認された上、解放されました。

しかし、パリで、しかも、オペラ座の前で、こんなことをやっているなんて。フランスは酒気帯び運転に寛容な国の一つといわれてきましたが、確か近年、酒気帯び違反のアルコール濃度の基準に変更があった(引き下げられた)筈です。今までワイングラス3杯まで良かったのが1杯か2杯になった、というような説明をテレビで見た記憶があります。まあ、アルコールの分解能が日本人とは違いますから、伝統的にはそう目くじらを立てないものの、事故の減少のためには厳しくしようということだったのでしょうか。それは社会的なコストの減少になりますから。
その分、アルコールの消費量は減るようにも思いますが、もともとアルコール消費は下がってきていた筈で、それであればその措置もあまりそちらには影響なし、という判断だったかもしれません。

また、普段はこの場所でこのような時間にこんなことをしたら大渋滞になってしまうわけでありまして、バカンスの終盤戦の車の少ない時期だからこそ出来たのだと思います。ですが、だとすればこの時期にやってもあまり意味がないような気もしますし、少し不思議です。バカンス帰りですっかりその気分を日常生活に持ち込むことを戒めるためのデモンストレーションのつもりでもあるのでしょうか?

なお、今回の風船、本当は「記念にくれ」と言いかかったのですが、叱られるかもしれないし、写真も撮ったりしたら怒られそうなので、やめておきました。ので、残念ながら文字のみのご報告です。

« ヒースローにて | Main | フィリップ・ゴーベール(アルファの新譜) »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

Comments

一発免停ですか。しかし、スクーターでその辺りをというのと高速を四輪で走るのが、基準が同じというのは、本当は釈然としないところもありますが、何かあったときの責任の重大さという意味では同じだし、線引きができないでしょうからね。

福岡の事故は、本当に可哀想なものですね。酒はこわいです。

亭主殿 私はスクーターで酒気帯びで一発免停をくらったことがあります。そのときの風船を体験しましたが、酒酔い運転にならないように 注意深くふくらました。その効果があったかどうかは別として、酒気帯びですんだのですが・・・2001年に基準が改正され アルコール濃度は引き下げられたので、今の基準じゃ一発取り消しだったかもしれません。スクーターで近所を走っていただけだったのですが、四輪もスクーターも同基準なので その後は気をつけています。罰金も高額になったことですし・・・
今日のニュースの一面は福岡で飲酒運転の乗用車に追突された車が橋から転落し、幼い子供三人が亡くなるという痛ましいものでした・・運転していたのは若い福岡市職員 亡くなった子供たちも可哀想ですが、運転していた若者の人生も自業自得とはいえ切ないものがあります。

The comments to this entry are closed.

TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 風船:

« ヒースローにて | Main | フィリップ・ゴーベール(アルファの新譜) »

Welcome to "Osteria della Giarrettiera Annex"

  • Musician's Street
  • vach'art
  • Xmas in Paris
    Thank you very much for coming to my blog despite all entries in Japanese. But you can find photos in three categories above. Please click them if you like.