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2006.08.30

デゾルミエール

Deso

"Les Rarissimes"のシリーズには、垂涎の録音が揃っていますが、これはデゾルミエールがフランス国立放送管を振ってロシアものを録音したアルバムです。

この2枚組は素晴らしいです。

まず何よりも音が立っていて小気味良い。リズムのしっかりした刻みがその一因でしょう。オーケストラ全体は決してピラミッド型の重厚な響きではありません(むしろ逆)が、ここぞというところでテュッティの中にバスパートが埋没せず浮き立って聞こえてきます。また、バレエからの抜粋である一曲一曲をそれぞれの性格に応じてかき分ける技も見事です。チャーミングな歌があり、繊細な響きがあり、疾走するスピード感があり。
ピシッと縦の線が揃っていないところもありますが、それはあまり気になりません。それよりも(それも含め?)管楽器のソロや乾き目の弦に、今はなかなか接することの出来なくなったフランスのオーケストラの響きを感じます。
こうなると出来てくる音楽は、チャイコフスキーのバレエ音楽の演奏にありがちなヘンに甘くないものでとても好ましいです。いや、甘々の演奏も時には浸りたくもなりはするのですが。

デゾルミエールは、ワタクシにとっては何と言っても「ペレアス」の初録音の指揮者です。が、基本的にはバレエ音楽を得意にしている人という程度の認識で、「ペレアス」以外の録音を聴くのはもしかしたらこの盤が初めてかもしれません。

解説を読んでワタクシは不明を恥じました。彼は当時(40、50年代)まずは同時代の音楽の紹介者として評価されていたのですね。のっけからブレーズの弔辞が引用されていますが、創作者の側から彼が如何に信頼されていたのかが伺われる内容です。彼のリズム感の良さが、現代曲の初演の際にも大きな武器となり、バレエ音楽の演奏でも真価が発揮された、みたいなことも書いてあります。

デゾルミエールは、CD化されている正規録音はこのアルバムの他にはテスタメントに3枚、INAのアルヒーフからの1枚、といった具合で、聴けるものがたくさんあるわけではないようですが、LYSなんかからはライヴも出ているようで、たくさん聴いてみたい人の一人となりました。

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