ラモーな日々(続き)
ガーディナーのMCによれば、10年前(というのは発足当初らしいのですが)にこのブスカイド・ソウェト弦楽合奏団の練習を聞いたときには、モーツァルトとかバッハで、それは悪くなかったけれど、何かが違う、足りないと感じて、ひらめいてラモーの楽譜をロンドンの事務所からFAXさせてやってみたらとても良かった、のだそうです。
今ではマンチェスターの音楽院で勉強しているコンマスの一人とのやりとりもステージ上であったのですが、ラモーの音楽を初めてやったときの感想として、"earthy"と感じたとのこと。その妹は「その頃は8歳だったので良く覚えていない」のだそうですが。
とにかく、ラモーの音楽とアフリカの踊りはよく合っていて、聴衆(観衆?)は大興奮でした。ワタクシも。第3部の終わりには、踊り手も奏者も全員楽屋に引き上げたのに拍手が鳴りやまず、また全員が呼び戻されて急遽アンコールをしたりして、最後にはガーディナーがステージにのぼり「5分休憩」と叫んで終わったのでした。
こちらの「5分休憩」が5分であったためしはなく、15分くらいは続いたでしょうか。こうなると残りは単なるオマケになってしまうのかとも思ってしまいました。実際第4部の冒頭では、ガーディナーは「さて、あんな熱狂の後でどうすれば良いんでしょう」とか言っていました。
ですが、第4部の演劇的バレエ(フランスチームとガーディナー/イングリッシュ・バロック・ソロイスツ)も、現代のコント仕立てで上質なパントマイムのような動きが、不思議な雰囲気を醸しだし、別の方向ですっかり満足させられました。大人のチカラを侮ってはいけないですね。
そして、第5部はアフリカチームもジョインして全員による演奏と踊り。「ボレアード」のコントルダンスは長靴バージョン、普通バージョン、そしてアンコールもされ、この日だけで(第3部でも演奏されたので)4回も聞き、すっかり耳についてしまいました。会場を出たところで自転車に子供を乗せて帰っていく若いお父さん(多分)が、このメロディーを鼻歌で歌っていましたし。
とても良い催しでした。
そんなことで、興奮のさめやらぬまま持っている、ラモーのディスクを聞いたり購入計画を立てるためにCD屋のサイトをさまよっていて、ガーター亭へのエントリに取りかかるのが遅れたというわけでした。
関連エントリ:ラモーな日々
ラモーな日々(さらに)
ラモーな日々(そして最終日)
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Comments
pfalzerwein さま
そうですね、クリスティはDVDも多いし。しかし、両大御所(?)が英国人、米国人だというのが面白いですね。
Posted by: 亭主 | 2007.02.18 at 04:09 PM
ご無沙汰です。最近はこの分野ではクリスティーが録音量でも圧倒していていますが、ガーディナーの録音も重宝されたものですね。
確かザルツブルクでラトルがラモーを上演した際、この両者に直接教えを受けたとか語っておりました。
Posted by: pfaelzerwein | 2007.02.17 at 03:20 AM