ハインリヒ・シフのベートーヴェン
前にヤルヴィのベートーヴェンのことを書いたときに、装飾音の長短の確認例の一つとしてシフの盤を挙げました。このシフはもちろんピアニストのアンドラーシュ・シフではなく、チェリストのハインリヒ・シフのこと。
実は、この盤もヤルヴィと同じドイチェ・カンマーフィルを指揮したものです。録音当時の91年はブレーメンという言葉は楽団名にはついていなかったようです。
この盤は1番と4番のカップリングですが、小編成の室内オケでピリオド楽器団、奏法の影響を受けつつ、ベートーヴェンをやるという流れのはしりではなかったでしょうか。
この演奏、ワタクシ、大好きなんです。ピリオド、というと、口の達者な人やカリスマ風の人も多い中、シフはその流れは汲みつつも、音楽がとっても自然で好ましいのです。
で、指揮者シフのこれからの活躍に期待、とか思っていたんですが、シフの指揮者としての盤はその後見かけることがなく、過ぎてしまったのでした。
ですから、この2&3番の盤をCD店で見つけたときにはとても驚きました。あの1枚で終わったんじゃなかったんだ、と。
残念ながら、このシリーズは1~4番だけで(元々全曲のプロジェクトだったのかどうかは知りません)、5番以降は録音されなかったそうです。2番、3番というとアイデアの実験場としての性格が1番、4番よりは遙かに強い曲で、そのせいか、ここでのシフはかなり過激な表現を取っているように聞こえます。この調子で全部録音してくれれば、一つの存在価値が主張できるセットになっただろうと思うと残念です。けれど、まあ、この4曲が残されているだけでも喜ばしいことです。
で、このエロイカを聴いて、オーケストラ・リベラ・クラシカがいずみホールで今月やった同じ曲の演奏について書かれた古楽ポリフォニックひとりごとさんのエントリを思い出しました。
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