ブーレーズのワーグナー
ブーレーズ/ニューヨークフィルのワーグナー序曲集。「マイスタージンガー」前奏曲、「タンホイザー」序曲、「ファウスト」序曲、「トリスタンとイゾルデ」前奏曲と愛の死が入ったLPです。
ブーレーズは、66年に「パルジファル」を指揮して、バイロイトデビューを飾り、その最終年70年の公演はDGから音盤化もされています。この間、67年には大阪のバイロイト引っ越し公演では、「トリスタン」も指揮しています。そして、76年からはシェローとのコンビで「指輪」の制作を80年まで続けました。始まりも終わりも「パルジファル」のちょうど10年後のプロダクションということになりますね。
これは、ちょうどその間に当たる1973年の録音。71年から音楽監督を務めていたニューヨークフィルとのものです。
ワタクシは、ブーレーズのワーグナーやマーラーの演奏を聴くといつも、雄渾な音楽だなぁという感想を持ちます。もちろん、世間で言われる、精緻なバランスとか、楽譜が見たくなるような明晰さとか、それはひしひしと感じるのですが、その結果出てくるものは、青白い頭でっかちの「知性的な」音楽ではなくて、非常にもりもりとしたマッチョなもののように思います。感傷性を排した甘くない音楽だからでしょうか。
これが「軽い」と批判されるのであれば、「重厚な」というのは音の合わなさのことを言うのだろうか、と思ってみたくもなります。まあ、「トリスタン」はさすがに陶酔感のようなものが恋しくはなりますが。
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