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2007.09.16

プッチーニこの1曲「ラ・ボエーム」

プッチーニは、1曲を挙げるのには大いに悩むのです、「ボエーム」なのか「トスカ」なのかを。

「トスカ」は本当に素晴らしい曲です。「歌に生き愛に生き」、「星は光りぬ」などの名曲中の名曲、名アリア。アンジェロッティが協会に駆け込んでくるところからトスカが身を投げるところまでの、息もつかせぬ凝縮したドラマ。変化に富んだドラマティックな音楽。いくら誉めても誉めたりません。「どちらが傑作か?」という問であれば、ワタクシが軍配を上げるのは「トスカ」にです。

が、好きな曲というと、やっぱり「ボエーム」です。瀕死のミミとロドルフォが、初めて出会って落とした鍵を探したときのことを回想するシーン、涙無しには聞けません。というより、ワタクシ、この1幕の鍵探しのシーンで、既に4幕の瀕死のミミのことを思って、早くもウルウル来てしまいます。1幕にある2つの超有名アリア「冷たい手を」や「私の名はミミ」よりも、この部分の方が、ワタクシのツボに来ます。ほとんどこの部分だけのために「トスカ」はやはり次点に甘んじてしまうのです。これ、2つの場面が同じ音楽だということが効果絶大なんですよね。味とか匂いとか感触とか、そういった感覚に直接訴える記憶は、過去の空気を呼び覚まし、本当にタイムスリップしてしまうわけですが、音、音楽も同じです。これが、せりふだけで「あなたはあの時こう言ったのよ」ということでは、なかなかここまでは、来ません。

もう一つ、ワタクシの好きなシーンは、2幕でムゼッタがマルチェッロの元に戻ってくるときの派手な盛り上がりの部分。ここは、若者の手放しの勝利っていう感じで良いですよねぇ。そして、軍隊の行進曲が遠くから聞こえてきて、それに紛れてカフェ・モミュスの勘定をムゼッタの元「パパ」のオヤジにつけまわしてその場を逃れる主人公たち。幕。本当に鮮やかです。


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