丸谷才一「袖のボタン」
7月の末に出たときに買ったのですが、ようやく読み終えました。間にどんどん興味を引かれる本が出てきてしまうものですから。
で、内容はいつも(?)の丸谷ぶしで楽しく読んだのですが、帯の惹句は、ワタクシとしてはあまりいただけないように思いました。
この惹句は4節からなっておりまして、
「思いがけない清新なものの見方」
「いちいち納得いく論旨の展開」
「言葉と思考の芸の離れ業による現代日本文明への鋭い批評」
と、ここまでで既に何だか説教くさい感じがするのですが、
「大学入試によく出るのも当たり前」
って、何か読む気を若干萎えさせるものがあります。
う~ん。ま、いいか。
で、本文を読み終えて「あとがき」なんですが、「コラムの題はむづかしい。殊に大新聞のコラムとなると厄介だ。」というくだりに来て、アレっと思いました。いつものオール讀物連載のエッセイだとばかり思って読んでいたのですが、これはどうも違うらしいぞ、と。「担当の由里幸子さんにファックスで伝へると」、あれぇ、朝日か。でも、朝日新聞で丸谷才一のエッセイなんて連載していたかしらん、と思って初出紙を見ると「朝日新聞2004年4月6日から2007年3月6日まで」とありました。ちょうど、ワタクシがフランスにいた3年間とほぼきれいに重なります。なるほどね。
あ、そう言えば、朝日新聞も「大学入試に他紙よりよく使われる」という広告をしていたことがあったっけ。なるほどね。
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