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2007.10.04

面白くて為になる村上春樹

「村上春樹にご用心」、読了しました。

これって、ワタクシが村上春樹について考えていたことじゃないか、と思わされてしまうような好著でした。余談ながら(ってこのブログ、全部余談みたいなものですが)、何となくもやもやっと感じていたことを、言葉にして誰かが言ってくれるのに接するとき、「そうそう、そうなんだよ」と膝を打ち、「それが私が言いたかったことなんだ」ということは少なからずあります。実際にそうであるときもあるでしょうが、著者の手管に引っかかり、そう思わされているときもあるのかもしれません(もちろん、著者を称えているのです、ワタクシは)。

さて、ワタクシは、村上春樹は「面白くて為になる」ところが素晴らしくそれ故に好き、と常々思っていて、もしかしたらここにもそう書いたことがあるかもしれません。

「面白い」というのは、不思議な出来事が起き登場人物が冒険したり、とか、まあ、すごく乱暴に言うとストーリーの展開が、ワタクシの指にページを先へと繰らせる、というようなことなのですが、それも、主人公に感情移入が容易であるからこそ、という面があると思います。
「為になる」というのは、村上春樹を読むと、イヤでも、人間だけではなく、世界というか、そういう大きく深いものに思いをいたすことになる、ということです。そして、それは、村上春樹はその著作で「世界」を語って(というより創って)いるからだと思うのです。マーラーのように「宇宙が鳴動する」なんて大仰なことでは決してないのですが。

ですから、
「宇宙的スケールの神話と日常生活のディテールをシームレスに接合させた力業に村上文学の最大の魅力はある。」
とか、
「私見によれば、村上文学が世界各国に読者を獲得しているのは、それが国境を超えて、すべての人間の心の琴線に触れる「根源的な物語」を語っているからである。」
なあんていう文章に出会うと、ワタクシ、コロリと参ってしまうわけです、ハイ。

一つ目の引用の2つの要素と、ワタクシの「面白い」「為になる」はぴたりと重なり合うわけではないですが。

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