ホルモー六景
「鴨川ホルモー」の続編的な腰巻きの文句(「今度のテーマは「恋」!!」とか)なんですが、いわゆるスピンオフ作品というやつですね、これは。短篇6作からなっているんですが、それぞれが、「鴨川ホルモー」の主人公や脇役たちの外伝であり、しかも、その6作の中でも重なりがあるというように、重層的に出来ています。「ホルモー・ワールド」です。時間的にも、現代だけでなく、80年前、120年前と広がりを見せていますし、舞台は京都を飛び出して、まだ見ぬ新たな長編のスピンオフに既になっている(というか、予告篇か)という趣もあります。
さらに、世界はホルモーを越えて、「鹿男あをによし」(これも面白いですが、「ホルモー」に比べると奇想天外さが少し落ちる)の世界ともつながっており、出版社の惹句そのままで悔しいですが、「万場目ワールド」を形作っています。
短篇なので、ずっしりとした読後感には劣りますが、それでも満足です。次の長編が楽しみです。
ところで、昭和の大作曲家である万場目正は、「まんじょうめ」と読むのですよねぇ。この人は「まきめ」だけれど。
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