グルダの真実
表題書、存在を不明ながら知りませんでした。
週末に市立図書館で見つけて借りてきました。なんておもしろい本なんでしょう。語り尽くせません。オークションや古本市場では5000円近い値が付いている絶版本とのことです(定価は1800円)。
まだ全体の3分の1くらいしか読み終わっていませんが、こんな記述が。ちょっと長いですが。
モーツァルトに関しては、俺はいまだにおそろしく慎重なんだ。本当に満足している録音は、オーケストラと共演したものだけといっていい。(中略)ソロで録音したモーツァルトは一つあるけど、俺はいいと思っていない。いずれ、もっと歳をとってから、もう一度やってみようと思っている。モーツァルトのソロは、気合いを込めてやらなくっちゃあね。俺はかつて、スタジオでモーツァルトのソナタの全曲を録音したことだってある。ものすごく苦労して細心の注意を払ってやったものの、結局これはボツにしてしまったんだ。レコード会社は頭にきてたさ。なんてもったいないことをするんだ、ってさんざん文句を言った。でもカネがすべてじゃないからね。俺は平然とこの録音テープを捨てちまった。
これって、これとこれのことなんでしょうね、きっと。発売されたとき、なんだか変な音質だったのも、この事情と関係があるということでしょうか。
それにしても、アーティスト・アプルーヴァルが得られなかった(というか演奏者はテープを破棄した)録音をその死後発売するということには、若干考えてしまうところもあります。もちろんそうは言っても、このような素晴らしい演奏に接することについての喜びの方が大きいわけで、こういう「発掘」を批判するつもりは、ワタクシにはないのですが。
それはともかく、この本、復刊を望みたいものです。
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