プレートルの第9
プレートルといえば、今年(ですね)のニューイヤーコンサートがなかなか好評で、ワタクシとしては大変嬉しかったのです。が、だからといって大ブレークするわけではなく、まあ、もう80歳過ぎだし、音盤業界も大プロジェクトを立ち上げるような景気の良さはなく(多分)、それに、何より本人が金には困らない(らしい。何でも億万長者の嫁さんと決行したという話を昔聞いたことがあります)からだと思うのですが。それでも、シェーンブルンの野外コンサートや、マーラーのライブ掘り起こしCD(5番、6番)も出ていてたわけですが、このたび、
そのマーラーの5番がレコードアカデミー賞、それも大賞の銀賞をとったというのには、少々驚きました。このような賞には無縁の人だというイメージはこちらの勝手な先入観ではあるのですが。
それはさておき、このベートーヴェンの9番も非常に気持ちのこもった演奏です。思えば、プレートルが活躍し始めたのは50年代後半からだと思うのですが、それから先、近年はローカロリーの演奏の時代となり、そして、一回りしてきて、非常にエモーショナル(なので情念過多で理性的なおもしろさが塗りつぶされてしまっているという評を受けることもある)な彼の芸風が、また世に受け入れられるようになってきたのではないでしょうか。
ライブらしく、プレートルのテンポの動きにパートごとの動きがバラバラになってしまっているようなところがあるのもご愛敬です。この程度のほころびですんでいるのはさすがウィーン響です。フランスのオケとかで本当に崩壊してしまっている演奏もラジオで聞いたことがありますし。
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