« エスクァイア日本語版復刊に向けて | Main | 本日からホーム全面禁煙 »

2009.03.08

廃墟建築士

三崎亜記の最新短篇集です。「鼓笛隊の襲来」後には「失われた町」(これも素晴らしい作品です。今までのところ一番かも)も読了したんですが、ちょっと忙しくってブログには上げられませんでした。

実は、まだ読み終わっていません。読み終わるのが惜しいような。

表題作。現実とずらした設定が想像力を自由に飛翔させるための舞台ということなのでしょうか。あるいは、設定によって、主題の普遍性が獲得されているのかもしれません。描かれているのは、人、生きることの哀しみと、しかし肯定的に進んでいく姿なのは、いつものとおりです。読んだ後に、声高ではないしかし決然とした主張を感じます。

今、読んでいる最中なのは「図書館」という作品ですが、ここでは、「バスジャック」での「動物園」での主人公ハヤカワ・トータル・プランニングの日野原さんと再会することができました。そういえば、「廃墟建築士」の主人公はもともとは二階扉(これも「バスジャック」の中の一つの作品に由来)の研究をしていたことになっているし、今後、短篇群も一つの世界を形作っていきそうで楽しみです。

ところで、「となり町戦争」の映画を見ました。原田知世は良かったんですが江口洋介はちょっと。まあ、小説が映画になると、登場人物と俳優のイメージが違うことはよくあることですが。それよりも、この映画化ではラストが大きく変わっていて、そこがワタクシとしては、大分違ってしまったな、という気がしました。
原作では、日常である戦争の不条理さがそこに生きる人間の不条理さまで含めて描かれ、だけれども、というかだからこそ、人間は強く生きていかなければならないし、その姿は美しい、というメッセージが発されていたと思っているのですが、映画では、戦争は不条理だけれど人間はまとも、というように意味合いが変わってしまっていると思うのです、ラストによって。

|

« エスクァイア日本語版復刊に向けて | Main | 本日からホーム全面禁煙 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/10092/44278834

Listed below are links to weblogs that reference 廃墟建築士:

« エスクァイア日本語版復刊に向けて | Main | 本日からホーム全面禁煙 »