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2009.04.12

ブラームスの4番のトライアングル

Triブラームスが交響曲でトライアングルを使っているのは、第4番の第3楽章だけです。アクセント、音色など色々効果的に使われています。

それで、この楽章が始まってから1分半ほどたったところ(93小節目以降)に、弦+低音管楽器+ティンパニというグループと高音管楽器+トライアングルというグループが2小節ずつ和音を交互に伸ばす、音色交代の面でも非常に印象的な部分があります(楽譜、下から6段目、3小節目からpと指定されているのがトライアングルのパート)。
ここで、注目されるのは、その直前のティンパニ(下から7段目、1小節目からffと指定されているパート)にはtr(トレモロ)と書かれているのに対し、トライアングルは二分音符に2本斜線を加えた形で書かれていることです。trと書かれていれば、基本的にはできるだけ速く同じ音を連続して叩いて全体につながったドロロロロロって音にする(皮の張り方や叩く強さによって振動を持続させるための適切な速さは異なってくるので必ずしも速ければいいというものではないけれども)わけですが、トライアングルのパートの書き方は、十六分音符で叩くのか、それともtrのように叩くのか、解釈が分かれてくるところです。テンポが速くなってくると、大差なくなるのですけれどもね。

無理を承知で表現してみると、trだとチリリリリリリリリリリリリン、となるところが、十六分音符だとチリチリチリチリチリチリチリチリンという風に違ってきます。

で。

最近復刻されたパレーの演奏で、やけにこのトライアングルがはっきり聞こえている(十六分音符でした)のを聞いて、他の演奏はどうかな、と調べてみる気になりました。


改めて聞いてみると、録音からは案外聞き取ることが難しいのですね、このトライアングル。新しい録音だとよく聞こえるのかというとそういうわけではなく、レーベルというかプロデューサーの音作りの傾向によるところが大きいようです。

よく聞こえない録音もかなり無理して分けてみますと、trは、ヤンソンス、クリヴィヌ、ボールト、クリップス、ブッシュ、ムラヴィンスキー、トスカニーニ(3種類とも)、朝比奈、セル、ベイヌム、ラインスドルフ。十六分音符が、ヴァント、高関、スクロヴァチェフスキ、ザンデルリンク、ベーム、ハーディング、マルケヴィッチ、ロンバール、C.クライバー、エッシェンバッハ、ケンペ(ベルリン)、バルビローリ、ワルター(NY)、ライナー、シューリヒト、オーマンディ、クレンペラー、スイトナー。不明なのが、アンセルメ、ナガノ、フルトヴェングラー(ウィーン)、チェリビダッケ(ミュンヘン)。なお、pでの2回の出番を十六分音符、直後のfではtrと変えていると思われるのが、小沢とマゼールでした。

う~ん、あんまり傾向のようなものはないですねぇ。

さて、ワタクシがもし奏者だったら、ここは十六分をとります。この部分、どおおん、ひょおおん、どおおん、ひゃああん、どーん、ちゃーん、ドーン、チャーンと(←なんだこりゃ)、音量の増加に伴って緊張感が増していくように全体の響きを変えていく必要がある部分だと思うのですが(でもどこかユーモラス)、そのためには、最初のpの和音は無用な力が抜けている方が良いと思うのですが、trで奏してしまうと、そうなりにくいのではないかと。
ですから、小沢、マゼールのようにpとfで使い分けるのも一つの解かと思います。

でも、この弛緩から緊張へという音色(音量だけではなく)の変化って、全部をtrで奏したとしてもできる人はできるわけですから、まあ、十六分かtrかという問題ではないのかも。

すみません、トホホな結論で。

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