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2009.10.28

クレツキのシューマン

Kletzki_2パウル・クレツキがイスラエル・フィルを指揮して1956年に録音したシューマンの交響曲全集です。この年はシューマンの没後100年に当たっており、アニバーサリー・イヤー・リリースだったとのことです。
56年にしては録音がもう一つですし、フォルテでヘンな音の割れ方がするのは板起こしで使ったLPの質のせいかとも思わせますが、とかく綿々と行き過ぎてしまうシューマンの交響曲をバランスよくまとめています。といって、決して冷たいものでも味が薄いものでもヘンに「整った」ものでもありません。曲によって多少のバラツキはありますが、勢いがあります。50年代ってこういう時代だったんでしょう。低カロリー淡々型とはまったく違います。そして、名にし負うこの楽団の弦が、時に艶やかな歌を聴かせます。

中でもこういう特長、美質が一番出た好演は、第2番です。特に第1楽章は、開始6分ほど経ったところで、え、どしたの、と思うくらい急にエンジンがかかって、手に汗握る白熱の演奏が展開されます。駆り立てる、駆り立てる。突然「トライベン」なんて言葉が頭に浮かびます。本来前のめりになるような音楽ではないところでも、疾駆感とテンションが維持されるのがすごいところ。セッション録音の筈ですが、ライブっぽい。この楽章は聞き物です。

反対に残念なのは、第1番のトライアングル。音色が汚い、粒がそろっていない、リズムが不正確、と三拍子そろってダメ。この1番はトゥッティでトランペットが妙に小さくてバランスが崩れるなどのへんてこなところも散見されてしまいます。

と、若干くさすところもありましたが、全体になかなか満足できますし、繰り返しますが、第2番の第1楽章は素晴らしいです。天馬空を行くという趣のドライブです。ココだけでもこのセットは聴く価値があります。

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Comments

コメントありがとうございます。ええ、なかなか気に入っています。4番ももう一度聞いてみたいと思います。
なお、TBについては、どうもこちらには届いていないようです(コメントと異なり承認制もとってはおりません)。なぜだか分からないのですが。。。

Posted by: ガーター亭亭主 | 2010.12.01 at 08:28 AM

これ、良いセットですね。熱い4番をレポートしましたので、TBしました。
二番は今聞いていますが、やはり仰せのとおり、第1楽章は名演ですね。

Posted by: Schweizer_Musik | 2010.12.01 at 12:20 AM

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