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December 2009

2009.12.28

若杉弘のベートーヴェン7番

Rimg0005若杉弘が亡くなって5ヶ月が過ぎました。年末になってタワーレコードと東京フィルとの協同企画により、このベートーヴェンの7番とシューベルトの未完成、そしてブルックナーの9番の2枚のCDがリリースされました。
ベートーヴェンは2006年4月の、シューベルトは2007年12月のいずれも東京におけるライヴ録音で、シューベルトは同時リリースのブルックナーと同日、そして若杉最後の東フィル定期演奏会の記録です。

このベートーヴェン、ゆっくり目のテンポで重量級の演奏です。めくるめくような音の奔流や快速さの快感はここにはありません。しかし、楽譜にある音をきっちりと弾かせ、鳴らし、聴衆に届かせることにより、なんと立派な音楽(皮肉ではありません)が生まれていることでしょう。感服しました。特に、第4楽章の終結に向かって遅いテンポを維持しつつ進んでいく中で音楽が高揚していく様には、とても興奮させられ、聞き終わったときの充実した感覚には代え難いものがあります。

70年代の半ば過ぎからコンサートゴーアーとなったワタクシにとって、若杉は、マーラーやワーグナーやシュトラウスなどの比較的珍しい曲をどんどん紹介してくれる存在で、コンサートで初めて聞いたのもケルン放響とのマーラーの5番だったと思います。都響とのマーラー、ワーグナー、ブルックナーとメシアンというツィクルスなどなど。ベートーヴェンはその後、N響で8番、4番などを聞いた記憶はありますが、7番は聞いたことはなかったのではないかなぁ。でも、いずれにしても、当時の若杉であれば、もっと颯爽とした演奏をしていたのではないかと思います。
ワルター・クリーンにつけたモーツァルトの第27番の協奏曲では、細部を大切にした、とても丁寧で行き届いた演奏をしていた覚えがありますが、あれが「進化」しての、このCDに聞くようなベートーヴェンということかもしれません。が、でも予想というか想像を良い意味で裏切られた内容の、この7番の演奏です。

色々書きましたが、一言で言うと、これを聞いてワタクシは朝比奈御大のベートーヴェンを思い出しました。

晩年だからこそこのような演奏になったと言えるかもしれませんが、まだまだ、こういう演奏をのこして欲しかったと思わずにはいられません。

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2009.12.26

テルマエ・ロマエ

Thermae時はハドリアヌス帝の御代、ローマ人の風呂設計技師ルシウスが、風呂設計上の課題に出会うたび、現代日本にタイムスリップしてその知恵を学び課題を解決していくという物語。
ワタクシはローマに行ったことはありませんが、パリのクリュニー美術館の一角には古代ローマ浴場の後がありますし、南仏やらサヴォア地方のローマ都市で遺跡を訪れると必ず浴場跡があり、古代ローマ人の風呂好きは日本人と同じだよなぁ、といつも思っておりました。それなのに、現代の西欧人(フランス人とかが念頭にあります)は何で風呂に入らずシャワーなんかですませていて、さすがに(当時の)辺境の地だなどとも思ったりして。この気持ちは「ローマ人の物語」などで更に増幅されていたところです。

で、よくぞこういう設定の話を書いてくれたとまずは感謝です。作者にも古代ローマ人と日本人の親近性が基本となるまなざしがあります。

爆笑ポイントやなるほどうなずきポイントは、ネタバレになるので避けますが、とにかく超お勧めです。はっきりは分かりませんが、時代考証もなかなかのもののように思います。ハドリアヌスの別荘とか、ローマの街路の排水溝(?)とか。

一つ一つの話の間に作者の短いエッセイが挟まっていますが、これがまた読みものです。共感します。ローマ人も好きなんですね、きっと。作者はポルトガル在住で、家には浴槽がないそうで、その点も風呂への愛着がにじみ出た原動力となっているのかとも思います。

この抱腹絶倒マンガ、こちらで存在を知りました。また、作者ブログも発見しました。

レスピーギも「ローマの風呂」を書けば良かったのに。

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2009.12.25

プレートル先生への期待など

さて、2010年のウィーンフィル・ニューイヤーコンサートですが、言わずとしれた巨匠プレートル先生の登場です。2年前にも期待感想などをここに書きましたが、今回の期待はやはり、「こうもり」序曲に集まります。先生の「こうもり」序曲は合奏能力が「並み」のオーケストラだと崩壊必至の大きなテンポの変化が特長ですが、その時としてあられもない歌い口は、一つ間違うとちょっとつきあいきれない際物となってしまう危険があります。それがウィーンフィルだとワンクッション受け止めるようなところが出てくるせいもあり、もちろん、テンポの伸縮にも失われない歌の保持もなされて、えもいわれぬものとなるんじゃないかなぁ、と。
昔このコンビで聞いた「ばらの騎士」組曲がそうでした。プレートルの「ばら」組曲はシュトゥットガルト放響とのライヴ録音
98年、ウィーン楽友協会大ホール!)を店頭でもよく見かけます。これも決して悪い演奏ではありませんが、ウィーンフィルとの演奏は絶美でした。オックスのワルツの旋律が最初に出てくるところのアウフタクトのルバートに度肝を抜かれ、ワルツのめくるめくる絢爛たる盛り上がりに体が熱くなり、3幕のマルシャリンが身を引く辺りの音楽には涙させられ、と。それはそれは良いものでした。
プレートル/ウィーンフィルの「ばら」組曲は、そのときの演奏ではありませんが、2008年のシェーンブルン宮殿サマーナイトコンサートのCD(野外なので録音が今ひとつなのが残念)で片鱗を楽しむことが可能です。このCDについては、前にも書きました
このCDはHMVやタワーのサイトを見ても出てきませんが、ウィーンフィルの直営ウェブショップで購入可能です。
そういえば、このウェブショップでは、今度のニューイヤーコンサートのCDを1月7日にリリースするそうです。が、送料込みで28.80ユーロなんて値段では、もちろん注文したりはしません。結局ヨーロッパから届くのとHMVでのリリース(20日)と変わらないし。

ところで、プレートルといえば先日、NHK教育テレビで88年にパリ・オペラ座管を率いての来日公演の模様が放映されました。音は当時のエアチェックカセットをディジタル化したもので楽しんでいるのですが、映像は初見でした(あるいは当時観ているのかもしれませんが覚えていません)。この演奏がまたすごいんです。
曲は牧神の午後への前奏曲、ラ・ヴァルス、幻想交響曲、アンコールに「アルルの女」と「カルメン」から1曲ずつ。最近のプレートルは、「音楽への情熱」という側面ばかりが強調されるように思いますが(そして実際近年の演奏は、どんどんそっちに傾斜していますが)、ここに聞くドビュッシーやラヴェルには、音楽の構成をはっきりと出す鳴らし方やクライマックスへの確かな設計を強く感じます。もちろん、部分部分は非常に幽玄であったり蠱惑的であったりするのですが。「幻想」は、たぶんプレートルは曲自体を「怪異なもの」と捉えているんじゃないかと想像します。楽器間の掛け合いで拍を超えた前のめりのツッコミの結果等拍でない部分が何回かあります。ルバートにより音楽はデフォルメされます。時にオケはついて行けずアンサンブルが乱れます。それとは関係ないかもしれませんが、出損なった鐘に付いていく人と元々の正しい入りではいる人との間で大きなずれが生じます。にもかかわらず(だからこそ?)、圧倒的なエネルギーの爆発、そしてカタルシス。なんか音楽を聴く喜びを感じるんですよねぇ。
 最近、NHKの「思い出の名演奏」系は映像として商品化されるものも多いですが、これもぜひ、と思わずにはいられません。

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2009.12.24

動物柄のネクタイ(25)「トナカイ」

Tie251季節ものということでトナカイです。でも色があまりクリスマスっぽくはないですね。それと、折角登場してもらっておきながら何ですが、トナカイくんたち、正直言うとあまり可愛くもない、といってリアルでもありません。最大限のほめ方をすれば、シャガールに出てくる動物を想起させると言えなくもない、でしょうか。

Tie252

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2009.12.23

来年は「ほぼ日手帳」

Agenda2010誰しも手帳遍歴とでも言うものがあるのではないかと思うのですが、ワタクシの場合、能率手帳のウィック7を使っていた時期が長かったですね。何と言っても薄くてかさばらなかったのがよかったです。
手帳は、仕事などのスケジュールを書きとめるものとして使っていたわけで、常に携帯してすぐに書き込めるという点ではこれがベストでした。一時、手帳を落としてしまったショックの反動からいきなりクリエ(今ウェブで見たら動画対応とかになっているんですねぇ。私の持っていたものに近いイメージはこちら)を買ったりしたこともありましたが、やはり使い勝手が悪くまた能率手帳に戻りました。

で、フランスから帰ってきた2007年春、進化した日本の携帯に接し、スケジュールを入れるだけならこれに入れておけば良いではないかと思い切り、手帳を持たない生活がこの2年半。

しかし、最近は物覚えも悪くなり、スケジュール以外にも、思いついたことや新聞で見かけた本とかCDとかその他、色々なことを書き留めておく必要を感じる今日この頃であったので、来年からは「ほぼ日手帳」を使ってみることにしました。昔の能率手帳に比べるとちょっとかさばるのが難点ですが、それでもぎりぎりストレス無く持ち歩けるサイズです。クマの型押しされた皮カバーも気に入っております。

さてさて、1年間使えるか、さらに翌年もとなりますかどうですか。

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吉祥寺

吉祥寺

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2009.12.22

オネゲル/クリスマス・カンタータ

Ansermetnoelアンセルメの没後40年記念として再発されたドビュッシーの「聖セバスティアンの殉教」の盤には、オネゲルの「クリスマス・カンタータ」がカップリングされておりました。これがとても良い演奏でした。

オネゲルのこの30分程の作品は、1953年の1月25日に完成したのですが、楽譜には完成の日付とともに「1941年の1月24日のスケッチによる」と記されています。この盤の解説によれば、1940年代にはオネゲルは神秘劇「セルツァッハ受難曲」という曲を書き進めており、それは未完に終わるのですが、その一部を用いて、このカンタータは作られているのだそうです。また、「バーゼル室内管弦楽団の25周年とその創設者パウル・ザッハーのために」という言葉も楽譜には書かれています。

それにしても、この曲は何と素晴らしい音楽なのでしょう。最初の陰鬱で晦渋な部分を我慢して(笑)乗り越える必要はあります。が、児童合唱がドイツ語で「喜べ、今ぞイスラエルびとよ、エマニュエルは来たらん!」と本当に清らかに歌い出すところ(始まって全曲の三分の一位まで進んだ辺り)から後は、徐々に音楽は高揚を続け、美しく祝祭的に盛り上がった後に、余韻の中で「きよしこの夜」のひと節が回想されつつ静かに終わったときの感動といったらありません。良い曲です。
途中、「フランス、ドイツ、オーストリア、イギリスにおけるポピュラーなクリスマス曲、ラテン語のグローリアが次々に歌われ、繋ぎ合わされて対位法的に重ね合わされる、美しいクォドリベット」(CD解説)なんて部分もあり、かなり凝った作りだとは思うのですが、でも、頭でっかちの感じはまったくありません。それらの「ポピュラーなクリスマス曲」のうち、ワタクシが聞いて分かるのは「きよしこの夜」だけだからかもしれませんが。

他には、マルティノンとコルボの盤を持っており、これが3種類目となるのですが、当アンセルメ盤と比べると、マルティノンはサクサク進んで怜悧過ぎる印象を受けます。しみじみしてこないんだよなぁ、これでは。コルボは逆にメリハリが欠けるように思います。ちょっとつかみ所がないというと言い過ぎでしょうか。

といった感じで、今のところ、この演奏が一番気に入っていますが、ウィキペディアをみると他にも6種類の録音があるようなので、縁があったら他の演奏も聴いてみようと思います。いや、それより、生でやってくれないものでしょうかね。


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2009.12.20

待降節のカンタータ

Adventcantata1もう12月も20日にもなっていまさらアドヴェントでもないんですが、思い立ってバッハの待降節のカンタータを聴きました。「いざ来たれ、異教徒の救い主よ」BWV61、「いざ来たれ、異教徒の救い主よ」BWV62、 「喜び勇んで舞い上がれ」BWV36の3曲がこのディスクには収められています。
この方面、私は明るくないのですが、アドヴェントのカンタータについては、「バッハ・カンタータ日記~カンタータのある生活」に良い記事(こちらこちら)を見つけましたのでご参考まで。

まだまだ、教会カンタータを聞いて季節を感じるという域にはとても達していないのですが、折角ガーディナーの全集も送られてくる(パリにいた頃出来心で全巻予約してしまった)ことだし、カンタータをそういう風に聞いてみようかなどと思っています。

ところで、上に掲げたガーディナーの盤は、1999年から2000年にかけての彼らの「カンタータ巡礼」に合わせてアルヒーフレーベルがリリースしていったものの内の1枚です。よく、このアルヒーフのシリーズは、その「巡礼」と並行して行った録音でカンタータの全集を作ろうというプロジェクトだったように言われますが、少なくともこの盤は92年の旧録音を用いたものでした。結局そのシリーズは10枚で終わってしまいましたが、「巡礼」先での演奏の録音は、ガーディナー自身の(?)SDGレーベルから2005年以降リリースが続いていて現在23巻が出ています(それが上に書いた「全集」で)。こちらのレーベルからのアドヴェント・カンタータは、今年、シーズンに合わせて先日リリースされたところです。下がその写真です。

Adventcantata2

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2009.12.02

池の紅葉

池の紅葉

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11月の歩行記録

11月の歩行記録です。

歩数 2667268890
消費カロリー 11032kcal367kcal
歩行距離 181.04km6.03km
(  )内は1日平均

またも1日1万歩達成できずです。ただ、先月の8200歩程度よりは少し改善して、あと一息で9000歩台というところまできました。ああ、低い目標です。12月は今年の締めくくりだし、何とかしたいところです。

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