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2009.12.26

テルマエ・ロマエ

Thermae時はハドリアヌス帝の御代、ローマ人の風呂設計技師ルシウスが、風呂設計上の課題に出会うたび、現代日本にタイムスリップしてその知恵を学び課題を解決していくという物語。
ワタクシはローマに行ったことはありませんが、パリのクリュニー美術館の一角には古代ローマ浴場の後がありますし、南仏やらサヴォア地方のローマ都市で遺跡を訪れると必ず浴場跡があり、古代ローマ人の風呂好きは日本人と同じだよなぁ、といつも思っておりました。それなのに、現代の西欧人(フランス人とかが念頭にあります)は何で風呂に入らずシャワーなんかですませていて、さすがに(当時の)辺境の地だなどとも思ったりして。この気持ちは「ローマ人の物語」などで更に増幅されていたところです。

で、よくぞこういう設定の話を書いてくれたとまずは感謝です。作者にも古代ローマ人と日本人の親近性が基本となるまなざしがあります。

爆笑ポイントやなるほどうなずきポイントは、ネタバレになるので避けますが、とにかく超お勧めです。はっきりは分かりませんが、時代考証もなかなかのもののように思います。ハドリアヌスの別荘とか、ローマの街路の排水溝(?)とか。

一つ一つの話の間に作者の短いエッセイが挟まっていますが、これがまた読みものです。共感します。ローマ人も好きなんですね、きっと。作者はポルトガル在住で、家には浴槽がないそうで、その点も風呂への愛着がにじみ出た原動力となっているのかとも思います。

この抱腹絶倒マンガ、こちらで存在を知りました。また、作者ブログも発見しました。

レスピーギも「ローマの風呂」を書けば良かったのに。

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Comments

コメントありがとうございます。

フランスも温泉で湯治という習慣はありますね。第2次大戦時の傀儡政権で有名なヴィシーとか、ドイツに入っていますがバーデンバーデンとか、日本代表が98年に合宿したエクス・レ・バン(ここはローマ都市ですが)とか。ただ、温浴もするんですが、お湯を飲むのが主体だと聞いたこともあります。しかし、日本と変わらないのは、こういう湯治場の温泉地には必ずカジノとか遊興施設が発展するところですね。

こんにちは!

このマンガの影響なのか、古代ローマの公衆浴場にちょっと行ってみたい気がする今日この頃です(古代ローマのトイレも出てきて、なるほどなあと思いましたが、さすがにトイレは落ち着かない感じで遠慮したい)。

イタリアはいまでも温泉があるにはあるんですが、フランスなども温泉で湯治という習慣はあるのでしょうか。お風呂文化の違いは興味深いですよね!

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