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2009.12.22

オネゲル/クリスマス・カンタータ

Ansermetnoelアンセルメの没後40年記念として再発されたドビュッシーの「聖セバスティアンの殉教」の盤には、オネゲルの「クリスマス・カンタータ」がカップリングされておりました。これがとても良い演奏でした。

オネゲルのこの30分程の作品は、1953年の1月25日に完成したのですが、楽譜には完成の日付とともに「1941年の1月24日のスケッチによる」と記されています。この盤の解説によれば、1940年代にはオネゲルは神秘劇「セルツァッハ受難曲」という曲を書き進めており、それは未完に終わるのですが、その一部を用いて、このカンタータは作られているのだそうです。また、「バーゼル室内管弦楽団の25周年とその創設者パウル・ザッハーのために」という言葉も楽譜には書かれています。

それにしても、この曲は何と素晴らしい音楽なのでしょう。最初の陰鬱で晦渋な部分を我慢して(笑)乗り越える必要はあります。が、児童合唱がドイツ語で「喜べ、今ぞイスラエルびとよ、エマニュエルは来たらん!」と本当に清らかに歌い出すところ(始まって全曲の三分の一位まで進んだ辺り)から後は、徐々に音楽は高揚を続け、美しく祝祭的に盛り上がった後に、余韻の中で「きよしこの夜」のひと節が回想されつつ静かに終わったときの感動といったらありません。良い曲です。
途中、「フランス、ドイツ、オーストリア、イギリスにおけるポピュラーなクリスマス曲、ラテン語のグローリアが次々に歌われ、繋ぎ合わされて対位法的に重ね合わされる、美しいクォドリベット」(CD解説)なんて部分もあり、かなり凝った作りだとは思うのですが、でも、頭でっかちの感じはまったくありません。それらの「ポピュラーなクリスマス曲」のうち、ワタクシが聞いて分かるのは「きよしこの夜」だけだからかもしれませんが。

他には、マルティノンとコルボの盤を持っており、これが3種類目となるのですが、当アンセルメ盤と比べると、マルティノンはサクサク進んで怜悧過ぎる印象を受けます。しみじみしてこないんだよなぁ、これでは。コルボは逆にメリハリが欠けるように思います。ちょっとつかみ所がないというと言い過ぎでしょうか。

といった感じで、今のところ、この演奏が一番気に入っていますが、ウィキペディアをみると他にも6種類の録音があるようなので、縁があったら他の演奏も聴いてみようと思います。いや、それより、生でやってくれないものでしょうかね。


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