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2010.02.12

柴田是真展

Zeshinいささか旧聞ですが、日曜朝、大雪の長野から新幹線で帰京し、三井記念美術館に9時50分頃着きました。「柴田是真展」、2月7日の最終日に間に合いました。並んでいる人は10人ほど。

この展覧会、弐代目・青い日記帳さん(こちらこちらはろるど・わーどさんが書かれているのを見て、とても興味が湧いたのですが、行って本当に良かったです。もう会期が終了していますが、感想など少し。ただし、展示の内容・作品の紹介はワタクシなどには手に余るので、パスさせて頂きます。ぜひ今上げたお2人のブログをご訪問下さい。

柴田是真は、江戸末期から明治初期に欠けて活躍した漆芸家にして絵師。この展覧会では、漆による工芸品、漆による絵、フツウの(?)絵が出品されていました。

まずは、その細かい技、確かな技量に驚かされました(というより無知を恥じると言うべきですね)。
青海波塗りというのは、等間隔に何本も並んだ曲線が幾何学的に連なってうねりを生み波となる(ううう、表現力のなさ!)といったものですが、櫛のような器具(?)で漆に筋をつけていく作業はやり直しがきかない一発勝負なんだそうです。それなのに本当にその曲線の見事さと言ったら。光の方向によって波のきらめきが変化するので、ケースの前で上下左右に顔を動かしてみてしまいました。
また、貝の漆絵やそれをモチーフとした工芸品には、肉眼では見られないほどの小さな螺鈿が貼られていたりして、それは洒落っ気と言うべきなのか本物の材を用いてしまう手法と言うべきなのか。。よく分かりませんが、考え出すと虚実の狭間にクラッとなったりします。

虚実ない交ぜと言えば、もう一つの展示の柱は「だまし絵」や「だまし工芸品」。和紙でこさえた椀に特殊な技法で漆を塗ることによってどうみても銅とか錫の金属の器にしか見えない作品には驚嘆です。同じ趣向で、和紙に漆で、紫檀材の額と板絵(木目や傷なども)、紫檀製の箱(割れ目とそれを補修するかすがいも漆で表現)、焼き物(釉薬がにじむ様まで)、古墨(質感や欠け具合が絶妙)などなど行くところ可ならざるは無しといった具合です。

ゆっくりと眺めていると、実物の質感というか実質を別のモノで表現する執念とその高みに、なぜかシャルダンを思いました。


最後に。デザインの感覚にうならされることが頻りでした。基本的に、潔く、すっきりしていて洒脱。もちろん古びた感じなんてまったくありません。何とも言えないおかしみのユーモアや、ちょっと普通とは違う目の付け所、思わぬところで出くわす遊びなど、凝った仕掛けもそこかしこにあります。

腕とこだわりとセンスの良さ、言葉の本当の意味での、超一流のアーティストだと思いました。

実は、ワタクシ、この展覧会が話題になる前は柴田是真、その名前も知りませんでした。まだまだ知る楽しみ歓びはたくさん残されていて嬉しいことです。

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Comments

コメント、TBありがとうございました。
本当、ボキャブラリが無くて哀しいのですが、すごかったですね。

Posted by: ガーター亭亭主 | 2010.02.13 at 09:58 AM

こんばんは。私もその名前すら知らず、Takさんのブログを拝見して行きましたが、思いもよらないほど引込まれてしまいました。仰る通りの虚実ない交ぜ、見事にだまされますよね。
柴田是真、あっぱれでした。

Posted by: はろるど | 2010.02.12 at 09:59 PM

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三井記念美術館(中央区日本橋室町2-1-1 三井本館7階) 「江戸の粋・明治の技 柴田是真の漆 × 絵」 2009/12/5-2010/2/7 「幕末から明治にかけて活躍した漆芸家」(公式HPより引用)、柴田是真(1807〜1891)の業績を回顧します。三井記念美術館で開催中の「江戸の粋・明治の技 柴田是真の漆 × 絵」へ行ってきました。 既に大きな話題となっている展示でしたが、その洒脱な漆絵、そしてだまし絵ならぬ「だまし漆器」には大いに感銘するものがありました。以下に早速、印象に残った... [Read More]

Tracked on 2010.02.12 at 09:55 PM

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