スワロフスキーのマーラーの4番
沼尻の演奏会を聞いて以来、マーラーの4番をちょっと聞き返したりしています。TMP版では若干増強した形となったシュタインの編曲版そのものも、ダグラス・ボイド(オーボエ吹きとしてはダメダメでしたが、指揮者に転向してそこそこ頑張っているようなのはご同慶の足り)指揮のものとか入手しています。が、やっぱり、ここまでスカスカになっちゃうと、う~ん。轟然と盛り上がるところ(3楽章の最後の辺り)とかは、それほど違和感を感じないのですが、ときどき彼岸に行っちゃうような異界の響きになるところが、どうしても室内楽版だとうまくいきませんね。
そんな中、スワロフスキーがチェコフィルを振った盤(スプラフォン、日本コロムビア)を図書館で借りてきたんですが、これはなかなか良いです。春風駘蕩たる感があって。随所に懐かしさを感じる美しい演奏です。72年の録音ですからそんなに古いわけではなく(なんていうのは自分が歳をとってきている証拠か)、録音もワタクシなどには十分です。全体にはなで肩で柔らかい外見ではありますが、グズグズとかメロメロでは決して無く、きちんとしていて、でも杓子定規ではなく、そうですねぇ、昔はこうだったんだけどね、と懐旧談を聞くような感じがあります。
チェコフィルも上手。マーラーはボヘミア生まれですしね。ブダペスト生まれでウィーンの指揮者がプラハのオーケストラで、というと(曲もマーラーだし)、ハプスブルグ帝国というか、中欧の魅力炸裂かぁ、と色々なところに思いを致します。
4番というと、マーラーを聴き始めた頃は1番と並んで取っつきやすかった(短いし)んだけれど、なんだか4楽章はすぐに終わっちゃうし、1番のようには盛り上がらないし、王道たる?2,5,6,9番辺りにシフトしていく前にむしろ聞かなくなっちゃって(アッバードのフォン・シュターデは別)。でも、なかなか味わい深い曲ですよね。
もうちょっと聞いてみようかな。持っているのにきちんと聞いていない盤が多すぎます。ライナー、バーンスタイン辺りから行きますかね。前者はデラ=カーザ、後者はグリストと歌手も魅力的。
ところで、レオシュ・スワロフスキーって名前を最近よく見ますが、このハンス・スワロフスキーの息子だったりするのでしょうか?
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