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2010.10.09

カラヤン/ベルリン・フィル、77年来日時のベートーヴェン・ツィクルス

77hvkb47先日、TOKYO FMレーベルから、カラヤン/ベルリン・フィルのベートーヴェンの交響曲全曲CDがリリースされました。レーベルからもご想像がつくように、これは来日公演の実況録音盤。77年のこのコンビ5度目の来日のときのものです。

クラシック音楽を聴き始めてから数年というところのワタクシは、いわゆるアンチ・カラヤン(笑)だったのですが、それでもこのコンビは聞いてみたかった。が、会場が普門館ということを聞き、収容人数5000人もの大ホールでなんて、とそのこと自体もカラヤンをけなすネタにしたりして、行かなかったのでした。結局、ワタクシはカラヤンの公演を聴くことなく終わってしまいました。この同じ年にベームもムラヴィンスキーも聞いたのになぁ。

実は、当時FM東京で全曲放送されたということ自体忘れていました。でも、有名な(?)7番冒頭のオーボエのミスは聞いた覚えがある、ということはラジオで耳にしていたんでしょうね、当時。ちなみに、このミスはずっとローター・コッホだと思いこんでいたのですが、今回のライナーノーツの解説(東条碩夫氏)によれば、代役の若い奏者だったそうです。

それで肝心の演奏なんですが、う~ん、弦の厚みとかうねりとか、こうグワーッともっていくところとか、案外古風に聞こえる媚態とか、さすがだなぁ、と思うところは沢山あるんです。が、こんなにバラバラなの!?というところがあまりに多すぎるんですよね。奏者個人のミスとかそういうことでなく、アンサンブルが崩壊寸前のスリリング(笑)な箇所が。そして、それが、なにかギリギリの表現をするために乱れたとかそういうことでもなさそうなのが、ちょっと。
もともと、このオーケストラは縦の線を合わせること命、ってわけではなく、それと、オレがオレがっていう奏者の外向きの表現意欲がうまくまとまった(まとめられた?)時に素晴らしい力を発揮するように思うのですが、この77年はあまり成功はしなかったという感じです。ウィーンフィルのような自律的に求心的に敢えて言えば室内楽的にまとまっていくのとは方向性が違います。来歴が違うからでしょうね。

それと、エキストラが多かったのかもしれません。解説(中山実氏)によれば、来日150人のメンバー中、40人がトラだったそうです。おなじみのレパートリーということで、練習もそれほどしなかったのかもしれませんね、あくまでも想像ですが。でも、79年の来日は日本在住の方も数人トラに入っていた「度を超した」ものだったとのことですが。

とはいっても、この厚い響きによるベートーヴェンには、とても懐かしいモノも覚えてしまうのは事実です。近年はこういうベートーヴェンを聴くことはあまりありませんから。

最後に。
前出の中山実氏は、この時の招聘者であった大阪国際フェスティバル協会の元職員の方とのことですが、会場が普門館となった経緯について、興味深いことを書かれています。79年のベルリン・フィルの来日は、大阪フェスティバル協会とNHKが招聘競争を繰り広げたのだが、これに敗れたNHKは、ベルリン・フィルの公演に予定されていた日に、N響の定期公演を日程変更して入れたのだ、と。それで、大阪フェスは他を探さざるを得なくなり、普門館に落ち着いたのだ、と。中山氏は1965年以来のN響定期会員なので、この経緯ははっきり覚えているとのことです。
なるほどねぇ。

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