カセットテープだけでなく、VHSテープもひっくり返して、若杉弘のもので手元に何があるかを探しました。
「ペレアス」はなかったのですが、1989年にN響とやった「火刑台上のジャンヌ・ダルク」が!
それも、全曲の録画(芸術劇場)に加えてN響アワーでの1時間弱の抜粋がありました。当時のN響アワーの司会は森ミドリで、1996年以来長年続いている池辺晋一郎(西村朗)+壇ふみ(若村麻由美、高橋美鈴ほか)の二人体制になる前のことでした。
で、そのN響アワーの方には若杉自身がゲストとして出演していて、原語であるフランス語による演奏の意義を切々と訴えています。この時が原語による日本初演だったのですね(日本語による初演は1959年に草笛光子、露口茂が出演して岩城宏之/東フィルとのこと)。この時のジャンヌ役はアンヌ・フルネ(ジャン・フルネのお嬢さんです)、神父役はドミニク・ルヴェル。歌手は、伊藤叔、佐藤しのぶ、大倉由紀枝、伊原直子、村田健司、福井敬、勝部太といったところ。
96年の11月には、若杉は日生劇場で舞台上演の指揮もとっていますが(音源雑記帖さんにレビューあり)、その時は日本語だったのこと。まあ、色々上演に当たっての制約とか条件とか、会ったんでしょうが、きっとフランス語でやりたかっただろうなぁ。
さて、この演奏会、幸いなことに聴きにいっています。が、ジャンヌの昇天に圧倒的な感銘を受けたことの他は、演奏がどうだったかとかあまり覚えていないんですよねぇ。あとは商店の前の部分のジャンヌの小さな歌と、裁判場面の豚の裁判長の部分くらいしか。まあそれは仕方ないですが。
「期待の公演」だったし、ぶっつけでなくて「予習」はしたと思います。ボドの演奏だと思います。小澤/フランス国立管のCDは、同じ89年の6月の録音だから、まだ出ていなかったんじゃないかなぁ。
ちなみに、同じ小澤がサイトウキネンで「ジャンヌ」を取り上げるのは93年のことです。ワタクシその頃長野(松本ではないです)に住んでいたのですが、当時サイトウキネンにはゆえあってアンビヴァレンツな感情があり、結局行かなかった(行けなかった)のでした。今思えば、何とかして行くべきだったなぁと。
小澤は、フランス、松本と同じくマルテ・ケラーを起用してウィーンフィルとザルツブルクでもやっていて(88年)、そのカセットテープも発掘しましたが、デジタル化は他にも候補が多々あって、先のこととなりそうです(したがって(?)聴いていない)。
でも、やっぱり、この曲はナマで聴くものかなぁと思ったりもします。自分がナマでないと長丁場集中できない体質のせいかもしれませんが、この曲ってある意味で儀式みたいなものかもしれませんし。
最近では2006年にアルミンクが新日フィルでやっている(レヴューはこちらに)のですが、その時は日本にいませんでした。あれ、でも、フランスでの方がこの曲に接する機会がありそうなものですがねぇ。上演されていたけれどスルーしていたのかなぁ。ちょっと謎です。あるいは、ここ数年はこの曲への熱が若干治まっていたのかもしれませんが、若杉ビデオの発掘に伴って、ナマでこの曲を聴きたい気持ちが急上昇です。
そうそう、イングリット・バークマンの映画というのもあるそうで、まずはこれを見るところから始めましょうか。
以上、今回のエントリーは、全面的に「音源雑記帖」さんに頼り切ってしまいました。 m( _ _ )m
Recent Comments